トライアスロンの島に移住へ

徳之島への移住・練習拠点化を伝え、歓迎を受けた井出樹里選手=20日、天城町で

北京五輪5位の井出選手
目標は24年パリ 徳之島3町が歓迎

 【徳之島】北京五輪女子トライアスロンで日本人初の5位入賞の実績を持つ井出樹里選手(39)=東京都出身=が20日、約1年半ぶり徳之島に来島し、天城・伊仙・徳之島の3町長らを表敬訪問。同島を練習拠点とするため12月末から移住し、3度目の五輪となる2024年パリ出場を目指す決意を示した。

 井出選手(玉川大卒)は、全日本大学女子駅伝にも出場した陸上からトライアスロン競技に転向した2年後、08年北京五輪で5位に入賞。その後、日本選手権3連覇や10年アジアビーチゲームズ金、12年ロンドン五輪に連続出場、19年ATUトライアスロンアフリカンカップ優勝など実績を持つ実力者。

 徳之島との縁は昨年2~3月にかけた約1カ月半、日本トライアスロン連合(JTU)の女子強化A?2指定選手や東京五輪代表候補の一人としての強化合宿。ハードな練習の合間には地元の青少年ら対象のトライアスロン実技講習会、中学校卒業式での〝サプライズ講演会〟などでもホットに交流するなど親しまれた。

 井出選手は、プロスポーツ選手ら来島の橋渡し役として貢献を続ける樟南二高元教諭で会社員の服部俊司さん(42)ら関係者ともに来島。同選手は12月10日(日本時間)モロッコ、同17日(同)バーレーンでの国際大会連戦後の同月末から移住を計画。

 同島内企業3社がスポンサー契約を結んでバックアップ。天城町B&G海洋センタープールや同町クロスカントリーパークを練習拠点に、パリ五輪を照準に約1年半滞在を続けるという。

 天城町の森田弘光町長はあいさつで「『スポーツ愛ランドあまぎ』には、陸上競技を中心に野球など多くのチームが合宿。来年は2回のトライアスロン大会(3町共催と国体)も。井出選手をしっかりと応援したい」などと歓迎。

 井出選手は「昨年の合宿では、この島の美しい自然、島民の方々の優しさを感じながらトレーニングができた。自分の居場所、自宅に帰ったような気分。練習ができる環境を整えていただいたことに感謝し、パリを目指します」と述べていた。