脱炭素社会の離島モデルへ

脱炭素化に向けて情報を共有した参加者ら=知名町=

進行中事業、計画を情報共有
ゼロカーボンおきのえらぶ推進協

【沖永良部】ゼロカーボンおきのえらぶ推進協議会の第1回会合が20日、知名町フローラル館であった。関係機関から約40人が参加し、脱炭素社会の離島モデル構築に向けて情報を共有した。

今年4月、知名町と和泊町、リコージャパン、一般社団法人サステナブル経営推進機構の4者共同で提案した計画「ゼロカーボンアイランドおきのえらぶ」が、環境省の「脱炭素先行地域」に選ばれた。

協議会は、脱炭素化に向けた各種施策の検討を目的に、行政や事業に関わる企業、学識経験者らで構成されている。

あいさつで会長の今井力夫知名町長は「ハードルはかなり高いが、持続可能な社会を作るために情熱を持って課題を解決していきたい」と述べた。

会議では、知名町企画振興課地球温暖化対策専門職の乾大樹さんが、沖永良部島で脱炭素化に取り組む背景とこれまでの活動について説明。両町役場の担当者が現在進行中の事業を紹介した。

今後の計画では、建設事業が進んでいる知名町新庁舎のZEBready化やマイクログリッド(小規模電力網)の導入に向けた詳細設計、風力発電システム利用拡大工事、再エネ導入促進エリア検討・合意形成支援業務などを行っていく。

質疑では、参加者から「再エネ導入には、自然環境との調和を考えながら住民の合意形成を図っていきたい」との意見が出たほか、マイクログリッドの実証試験や新電力会社の設立などについて情報交換した。

協議会副会長の前登志朗和泊町長は「脱炭素化は、魅力的な島に生まれ変わるための一つの手段。時代の最先端の島を目指したい」と話した。