天城町戦没者追悼式

戦没者たちを追悼、平和も誓った天城町戦没者追悼式=21日、同町岡前「平和の森公園」

平和の尊さ後世へ ウクライナ情勢懸念も

【徳之島】今年度天城町戦没者追悼式が21日、同町岡前の「平和の森公園」であった。日清・日露から先の第二次世界大戦にいたる戦地に駆り出されて犠牲となった町出身の戦没将士425柱を鎮魂した。ロシアのウクライナ侵攻など悲劇が繰り返されるなか、戦争の悲惨さ、平和の尊さを後世に語り継ぐ使命感も新たにした。

旧日本陸軍滑走路跡(現平和通り)近くの同公園に特攻平和慰霊碑と併設されている「忠魂碑」の前であった。同町戦没者遺族会(大田直次会長)の関係者11人をはじめ町当局、町議会、自衛隊、町区長会、各種団体代表ら合わせ約50人が参列した。

黙とうを捧げた後、森田弘光町長は式辞で「今日のわが国の平和と豊かさは、祖国を想い、家族の幸せを願いながら戦場に散った戦没者の皆様の尊い命と、ご遺族の苦労の上に築かれたことを決して忘れてはならない」。また、ウクライナ侵攻を例に、「『戦争はいつどこで起きるか分からない』ことを再び呼び起こさせた。平和の大切さを次の世代に継承する責任がある」とも強調。

柏井洋一町議会議長と大田遺族会長が追悼のことばを述べた。大田会長(81)は、戦後77年を経て町内に存命の配偶者遺族(遺族妻)は盛田タカさん(107歳)=瀬滝=と松田よしさん(101歳)=松原=の2人だけとなったことも報告。「戦争を知らない世代が増えたなか、世界では悲惨な戦禍が繰り返されている。ロシアの軍事侵攻では双方の兵士が犠牲になり、多くのウクライナ市民が命を落としている。私たち遺族は英霊の顕彰と、平和の尊さを後世に伝えていくことが責務」とも述べた。

この後、参列者全員で碑前に白菊をたむけ改めて冥福を祈った。