奄美市で九州地方知事会議開催

会議冒頭、奄美市での開催などについて思い語る塩田知事

九州創生、デジタル活用で意見交換
特別決議7項目採択

九州・沖縄と山口の9県でつくる九州地方知事会(会長・広瀬勝貞大分県知事)は26日、奄美市名瀬の奄美観光ホテルで第160回会議を開いた。会議では、国が進めるデジタル田園都市国家構想を契機とした九州創生「JEWELS+」の推進について、各県の取り組み状況や連携の可能性などについて意見交換、「地方創生の加速」や「地方税財政に関する課題対応」など7項目の特別決議を採択した。27日も同会場で、第42回九州地域戦略会議を開き、各県知事と経済団体などがデジタルを活用した九州・山口地域の経済振興などについて意見交換する。

会議には沖縄県(副知事が出席)を除く8県の知事が出席。冒頭、鹿児島県の塩田康一知事が開催県を代表してあいさつ。昨年10月に奄美市での開催を予定したものの、新型コロナウイルスの感染拡大などの影響で、1年越しの開催に至った経緯などを説明、「昨年7月に世界自然遺産となった奄美大島を見ていただき、離島地域の現状についても知ってもらう機会としたい」などと述べ、奄美での開催を強く要請した思いを明らかにした。

会議では九州創生の取り組みとして、▽デジタル田園都市国家構想を契機とした取り組み▽九州の発展を支える人材への投資―について、各県が進めている施策などについて発表。鹿児島県は、瀬戸内町・加計呂麻島で航空各社などと連携し取り組んでいるドローンを活用したビジネスモデル実証実験などについて報告した。

同会議で採択された特別決議は▽地方創生の加速▽地方税財政に関する課題対応▽九州・山口地域の産業政策▽同地域の発展を支える社会資本整備▽大規模広域災害に備えた防災・減災対策▽デジタル社会の実現に向けた取り組み▽新型コロナウイルス感染症対応―の7項目。

地方創生の加速では、東京一極集中の是正が依然として課題となっているとし、「まち・ひと・しごと創生事業費」(1兆円)の拡充・継続やデジタル田園都市国家構想交付金の予算枠拡充などを要望。地方税財政対応では、新型コロナの影響に加え、原材料・原油価格の高騰が幅広い業種に影響を与えていることから、新型コロナ対応の地方創生臨時交付金について、財源措置を講じることなどを新たに求めている。

特別決議は11月16、17日にかけ、会長の広瀬大分県知事が関係大臣らに直接提言する。

会議の開催前には、来年、鹿児島県で開催される第47回全国高等学校総合文化祭に出場する奄美高校郷土芸能部の生徒らがシマ唄などを披露、同会議の奄美市開催に花を添えた。