照屋沖縄県副知事が献花

対馬丸慰霊碑に献花を行った照屋義実・沖縄県副知事(奥は、植田稔・宇検村副村長)=27日、宇検村・船越海岸=

対馬丸慰霊碑 宇検集落に感謝伝える
宇検村・船越海岸

 沖縄県の照屋義実副知事が27日午後、宇検村宇検の船越=ふのし=海岸を訪れ、対馬丸慰霊碑に献花した。植田稔副村長他、宇検集落の津田直隆区長ら同集落民が参列。照屋副知事は、犠牲者への哀悼とともに、慰霊碑建立に尽力、悲劇を繰り返さぬよう同碑を守り続ける同村、同集落に対し感謝の意を伝えた。

 慰霊碑は、同集落民らの要望により2017年3月に建立。同年11月、沖縄県は奄美群島との交流促進を目的とした「奄美・沖縄交流拡大事業キックオフイベント」開催時に訪問団を派遣、翁長雄志・前沖縄県知事(故人)が献花を行った。以降、謝花=じゃはな=喜一郎・前同副知事らが同海岸を訪れている。照屋副知事は26、27日、奄美市で開催された九州地方知事会に、玉城デニー沖縄県知事に代わり出席するため来島していた。

 照屋副知事は献花後、参列者らに「昭和19年8月、撃沈された対馬丸の船団の先行した船に、母や姉、兄ら4人の身内が乗船。火柱が上がるのを見たと聞かされた」と伝え、「この浜に無数の遺体が打ち揚げられたことを思うと、胸が詰まる」と話した。そして「宇検村の住民の皆さまが、漂着当時の学童、一般疎開者ら県民を手厚く葬っていただいたことは(沖縄県で)語り継がれている」と感謝の意を伝え「沖縄と奄美はきょうだい島としての歴史がある。これから先も慰霊碑をお守りいただければ大変うれしい」と語った。