樟南二高を「当番校」に26年ぶり離島開催となった鹿児島県私学教育研修会(開会式)=27日
【徳之島】第48回鹿児島県私学教育研修会(一般社団法人・日本私学教育研究所主催)が27日、「離島における私学教育のあり方~ICT機器を活用した積極的な学習の探究~」を研究テーマに、天城町にある樟南第二高校(牧園弘光校長・生徒数242人)で開かれた。県内の私立中高校の代表が一堂に会し、ICTを有効活用した授業実践の公開・授業研究・情報交換など3分科会(部会)で研さんを深めあった。
県私立中学校高等学校協会(川島英和会長、県内私立高22校・同中10校加盟)が、会員校の教職員たちの資質向上を目的に研究発表「当番校」を決めて開催。コロナ禍で3年ぶり。離島初開催ともなった樟南二高では1996年10月(当時徳之島商工高)以来26年ぶり2回目。会員校の管理運営者や教員など関係者約80人が参加した。
川島会長(川島学園理事長)はあいさつで、新学習指導要領の改訂にも伴い初等・中等教育が転換期にあるなか、①1人1台端末の円滑な活用②教材関連ソフトへのあり方③学校内外の環境整備など課題も提示。「さまざまな教育界の変動や各種課題に対応するのは学校現場の先生方。資質の向上を図るためにも〝私学人〟として自ら挑戦し、経験を通して自己研さんを」と期待を寄せた。
全教室の無線ラン(Wi-Fi)環境を整えて今年度の全1年学から「1人1タブレット」活用授業を進めている当番校・樟南二高。牧園校長は歓迎あいさつを交え、「本校は全国離島唯一の私学。ICT活用授業の改善に日々取り組むその一端を公開。収穫の秋にふさわしい実りある研修会に」と要望。
全体会ではまず、同校OBで天城町企画財政課・世界自然遺産担当の吉野琢哉主事(33)が「徳之島の世界自然遺産登録」と題し講演。登録までの経緯や今後の課題も交え、世界に誇る生物多様性など島の宝の魅力もアピールした。
各分科会(授業公開など部会)のテーマは▽管理運営部会「私学教育(研修)のあり方について」▽英語部会「ICTを有効活的に活用する授業実践~徳之島の観光案内マップを作成する言語活動を通して~」(普通科2年生、勝寿美子教諭)▽情報部会「プロアクティブラーニング」(普通科3年生、ラミレス・カセレス・ギジェルモ・オラシオ講師=アルゼンチン出身)。
引き続き授業研究や情報交換、質疑応答で交流。英語部会では有馬義秀氏(鹿児島純心女子短大副学長・教授)、情報同では帆西弘幸氏(樟南高教諭・元川内商工高校長)がそれぞれ指導助言に協力した。