南国に〝冬の使者〟コハクチョウ飛来

徳之島町「諸田池」で10年ぶり確認された「コハクチョウ」(幼鳥)=29日午後0時半ごろ、徳之島町諸田

徳之島「諸田池」に10年ぶり

 【徳之島】渡り鳥など水鳥の楽園、観察ポイントでおなじみの徳之島町「諸田(しょだ)池」(同町諸田)で29日午前、本土でも〝冬の使者〟と表現される「コハクチョウ」1羽の飛来が確認された。羽の色から幼鳥と見られる。同地での確認は10年ぶりという。

 カモ科ハクチョウ属。全長約120㌢。成鳥は全身が白色、幼鳥は薄灰色を帯びている。ユーラシア大陸北部で繁殖して冬季はヨーロッパや中国、日本などに南下。奄美群島・徳之島への迷鳥飛来、確認例は少ないという。

 発見したのは同町亀津の自然写真愛好家、指宿安夫さん(75)。天候や体調不良、旅行時など以外は毎日1回、諸田池など観察ポイントを巡回。探鳥をライフワークとする野鳥専門家の1人だ。東京旅行から帰った翌29日午前、約10年ぶりにコハクチョウの姿を確認した。

 コハクチョウは同日午後、ヒドリガモやオオバンなどの水鳥たちに混じって、ひと際大きくて目立つ優美な姿を水面に浮かべていた。時折、水中に頭を突っ込んでエサの水草を物色。顔面に泥を着けたまま、くちばしから垂れた糸状の水草は気にする様子もない。育ち盛りで食いしん坊の幼鳥?の愛きょうも漂わせていた。