和泊町でふれあい読書フェスタ

長崎夏海さん(左から2人目)のワークショップで、書いた言葉をパネルに貼り付ける参加者ら=和泊町=

「好きな本1冊でも見つけて」
絵本作家の長崎夏海さん講演
読み聞かせの実演も

 【沖永良部】第21回大島地区ふれあい読書フェスタ(県図書館協会奄美支部主催)が29日、和泊町中央公民館まなびぃほーるであった。大島地区の図書館や学校の関係者、子ども会育成会のメンバーらが参加。講演した知名町在住の絵本作家、長崎夏海さんは「一生のうちに、すごく好きな本を1冊でも見つけてほしい」と呼び掛けた。

 社会全体で読書活動の推進を図ろうと開催。 会場には群島内各自治体の読書活動を紹介するパネルが展示された。

 「わたしたちのこころに、ことばは届く」と題して講演した長崎さんは、最近病気を患ってから本の読み方が変わったとして「自分に関係のない本は世の中にないと思うようになり、いろいろな作品が面白くなった」と述べた。また、子どもの頃を振り返り「私は本に助けられた。たくさんの本を読んでいると、そのときに必要な本がわかる。文字だけで書かれているのに自分で世界を作れることが大事。本がその役割をしている」と話した。

 続いて「届いた言葉」「届かなかった言葉」を考えるワークショップを行い、参加者らは遠くにいる友達や家族、仕事のことを考えながら「言うことは行動に移せ」「お父さん、お母さんケンカしないで」「私はオーストラリアに行きます」など、心の中にある言葉を付箋に書き出していった。

 このほか、方言絵本「塩一升の運(方言=ましゅいっしゅーぬくれ)」の読み聞かせや、町内で活動する読み聞かせグループ「むんがたい」による実演もあり、多くの親子連れでにぎわった。