奄美パーク20周年祝う

20年に渡り奄美群島の観光拠点施設として情報発信を続けている県奄美パーク

川畑さんのシマ唄に乗って、出席者らも一緒になって踊り開園20周年を祝った式典

群島の情報発信拠点
さらなる飛躍と地域貢献へ

 新型コロナウイルスの影響で1年延期されていた県奄美パークの開園20周年記念式典が30日、奄美市笠利町の同園であった。同パークの宮崎緑園長や塩田康一知事らが出席、2001年の開園以降、奄美群島の観光拠点として奄美の情報発信や伝統芸能などの保存継承を担ってきた同園の開園20周年を祝福、奄美振興に向けたさらなる飛躍と地域貢献を期待した。

 式典には、宮崎園長や塩田知事のほか、地元選出の国会議員や県議、奄美群島の市町村長らも出席。節田小学校アマンディ―太鼓による演奏がオープニングを飾った。

 宮崎園長は「開園から20年、奄美の多様性ある文化や自然を伝える地域文化の情報発信拠点としての使命を追い続けてきた。これからも世界の宝である奄美の文化をつむぎ作り出す場所になるよう努めていきたい」などとあいさつ。塩田知事も「奄美の情報発信や自然環境の保全、利用の両立に向け大きな役割を担っていくことを期待している」などと述べた。

 その後、宮崎園長が同園の20年の歩みを紹介。07年1月には、開園から6年足らずで入館者100万人を達成。その後も10年11月には入館者150万人、16年に同200万人を達成するなど、併設されている田中一村記念美術館とともに、さまざまなイベントなどを通して奄美群島の伝統芸能などの情報を発信、順調に入館者数を伸ばしてきた。

 18年には施設の展示内容などをリニューアル。2年前にはテラスや屋根の大規模補修なども実施。新型コロナの影響で昨年度以降は、施設の一時閉館を余儀なくされた期間もあったが、10月現在、同園と同美術館を訪れた来館者数は延べ268万8855人となるなど、島外観光客らも含め多くの人が利用している。

 式典ではこのほか、喜界島の唄者・川畑さおりさんがシマ唄を披露。唄に合わせて出席者らが踊りだす一幕もあった。また、作家で博物学者の荒俣宏氏が「歌と民話の架け橋―奄美文化の発見」と題し講演。「奄美の魅力はやはり歌。都会の人たちが初めて奄美の魅力を知ったのも、奄美の歌が4曲も紅白歌合戦に選ばれた時だった」などと述べ、63年のNHK紅白歌合戦で「島育ち」「島のブルース」「奄美恋しや」「永良部百合の花」がうたわれたことなどをあげ、シマ唄など奄美と歌のつながりを紹介した。