九州ブロック・ユネスコ活動研究会 徳之島初開催

徳之島で初開催の「九州ブロック・ユネスコ活動研究会」(開会式)=5日、徳之島町

世界自然遺産の島から寺子屋運動とSDGsを

【徳之島】2022年度「九州ブロック・ユネスコ活動研究会」(徳之島ユネスコ協会・日本ユネスコ協会連盟主催)が5日、「世界自然遺産の島から広げよう!寺子屋とSDGs」をテーマに2日間の日程で徳之島町内のホテルで開かれている。基調講演や日本ユネスコ国内委員会報告などがあり、2日目(6日)は四つの事例発表で交流する。

徳之島ユネスコ協会(安田司会長)は17年6月、日本ユネスコ協会連盟の加盟承認を受けてユネスコ寺子屋運動の「書き損じハガキ・回収キャンペーン」や自然環境保護、平和教育活動などを継続。その活動が評価され3年前に同島初開催予定だったがコロナ禍で今年に延期。熊本・大分・佐賀・沖縄・鹿児島など各県協会の役員など迎え約60人が出席した。

安田会長はあいさつでテーマの趣旨も交え「寺子屋運動を広め、世界自然遺産の島として自然環境をつなぎ、ユネスコ・スクールの育成を図り平和教育を推進します」とアピール。高岡秀規徳之島町長の祝辞に続き、日本ユネスコ協会九州ブロック代表理事メッセージも紹介。

環境省徳之島管理官事務所の田口知宏管理官(28)が「世界自然遺産登録と徳之島のこれから」と題して基調講演。同島を含め奄美・沖縄の生物多様性を生み出した要因(大陸との分離・統合の繰り返しや亜熱帯多雨林)や固有種の種類などを解説。その上で、アマミノクロウサギなど希少野生動物のロードキル(交通事故死)や、元々島内にはいなかった外来種のイヌとネコの〝ゲームハンティング〟(捕殺して遊ぶ)習性も指摘。

「世界の宝・徳之島の自然」と「私たちの生活」を守る「と・く・の・し・ま」運動として、①とらないで!植物や動物はそのままに②くるまは生きものにやさしいスピードで③のやまをきれいにゴミ拾い④しまに外来種を入れない捨てない拡げない⑤まもろう!猫や犬の正しい飼い方―もアピールした。

6日午前の事例発表には「書き損じハガキ回収チャリティーコンサート活動」(徳之島)や「世界自然遺産の島とそこに住む私たちにできること」(花徳小3・4年生)など計4事例の発表、意見交換などを予定している。