新しい飲み方などの提案を目指し発足した「奄美黒糖焼酎女子倶楽部」(提供写真)
第1回のイベントでは島の食材を使ったコース料理や黒糖焼酎のカクテルなどが提供された(提供写真)
「黒糖焼酎・奄美の食・健康」をキーワードに活動する「奄美黒糖焼酎女子倶楽部」が発足した。会員はいずれも女性で、製造する蔵元関係者だけでなく管理栄養士の資格を持つ行政関係者も加わっている。シマの食材も生かした「おいしく、おしゃれで健康的」な飲食で新しい飲み方を提案、長く黒糖焼酎に親しんでもらう。
「シマのくらしの中で、人々の笑顔、人々の健康の源として」の奄美黒糖焼酎を目指し、「奄美黒糖焼酎がシマを醸す」をスローガンに今年5月14日発足。新たに大島紬業界の関係者も加わり現在の会員数は12人。「奄美黒糖焼酎の日(5月9・10日)」にイベントを開催していくが、それまで1年もあることから、発足から半年、「本格焼酎の日(11月1日)」に合わせて翌2日に初のイベントを開催した。会員は毎月1回集まり勉強会を重ね準備してきたという。
第1回のイベント名は「I LOVE シマ」の意味を込めて「月ぬきゅらさ~や~」。発起人の渡悦美さん=㈱奄美大島開運酒造商品開発室次長=によると、シマの食材(野菜などの青果物や魚介類、島豚、調味料)を使った料理を「女子会らしいおしゃれなコース料理」にし、黒糖焼酎は蔵のカラーは出さずにカクテル焼酎で味わうようにした。料理のレシピ提供は名瀬保健所管内行政栄養士連絡会で、会場となった奄観の調理師が洋風に仕上げた。
新しい飲み方では、若年層の飲酒人口が減少している中で「おしゃれな飲み方」のほか、長く飲んでもらった方が業界にとってもメリットがあることから健康的な飲み方を追求。厚生労働省では「節度ある適度な飲酒量」として「純アルコール量20㌘(日)」を推奨しており、イベントでも「1週間~10日間の平均が20㌘(日)以内になるように調整しながら飲みましょう」を掲げた。渡さんは「20㌘はアルコール度数25度なら100㍉。720㍉㍑の瓶入りなら1週間で飲む量になる。少ない量かもしれないが、休肝日を取り入れることで実現できるのではないか。生活習慣実態調査からは生活習慣病リスクを高める要因の一つとして飲酒が挙げられているが、一方では適正に飲酒することで『百薬の長』とも言われている。地域のみなさんに百薬の長として黒糖焼酎を長く飲んでいただきたい」と語った。
次のイベント開催は半年後の「黒糖焼酎の日」になる。会員は女性のみだが、イベントの参加は男性も可能。「おいしく、おしゃれに」をモットーにシマの食材の掘り起こし、地元の食文化を生かした健康な飲食を提案していく。