大島紬専門の子ども専用写真スタジオ

お薦めの大島紬を手にする渕本奈美さん

大島紬で七五三の撮影に臨む子ども

代官山にオープン

【東京】東急電鉄の代官山駅からほど近い東京都渋谷区猿楽町に、このほど「本場奄美大島紬専門の写真スタジオ」がオープンした。子ども専用に大島紬をそろえたスタジオは大変珍しく、利用者に注目されている。

大島紬の着物で写真が撮れる子ども専用フォトスタジオは「photostyling75c」。同区猿楽町12―29に10月22日にオープンした。「写真で生活をスタイリングしよう」との基本理念で、恵比寿や広尾などでスタジオを展開する(株)メモアの代表取締役社長・渕本奈美さんが経営している。

父親の仕事の関係で、渕本さんは高校生活の2年間を奄美大島の有良(奄美市名瀬)という集落で過ごした。2014年に久しぶりに訪れた奄美で偶然、本場大島紬の職人と交流、現状を聞き「何かできることはないか。他と何か違うことを」と考えたのが、「大島紬専門写真スタジオ」オープンのきっかけ。島の祖母世代の着られていない着物をリメイク。眠っている遺産を生かすことで、奄美への恩返しにもなっているようだ。「本場大島紬だけのスタジオは、おそらくここだけ」と説明する。

料金は2万5千円~(要相談)。一見、地味にも見える大島紬。だが、渕本さんの長年の経験で培ったセンスとフランス・パリなどで買い付けた小物で、華やかで艶やかな被写体に変わっていく。完全予約制で事前の決済となっている。「場所が分かりにくいので、迎えに伺います」(広報担当の砂羽美佳さん)。晴れの日の特別感を、代官山の住宅街でたたずむ写真館も演出している。問い合わせは、電話03・6416・9279へ。

渕本さんは「幼い頃に大島紬という本物を身に着け、粋やスタイリッシュを体験するのを提供するのと同時に、奄美大島の伝統工芸品である大島紬の素晴らしさを多くに知っていただき、第二の故郷に貢献したい」と語っている。