「沖高みらい探求プロジェクト」西日本地区グランプリ

右から今井力夫町長、沖高の山元莉海さん、赤地光世さん、室屋洋一校長=4日、知名町役場=

三菱みらい育成財団の助成校成果発表会
知名町長表敬訪問、受賞報告

 【沖永良部】未来を担う若者の育成を目指す教育活動などを支援する「三菱みらい育成財団」の2021年度助成校成果発表会で、沖永良部高校が取り組んだ教育プログラム「沖高みらい探求プロジェクト」が、高校生対象のカテゴリー1部門で全国の高校55校の中から西日本地区グランプリに選ばれた。4日、知名町の今井力夫町長を表敬訪問し、受賞を報告した。

 沖高は昨年度、同財団の助成を受け、地域と連携した探求型学習「沖高みらい探求プロジェクト」を実施。普通科と商業科の2年生計92人が、二つの課題に取り組んだ。

 一つは、キャリア教育をテーマに、ハローワークが存在しない沖永良部島で職業紹介機能の代わりとなる媒体を作ろうと、島内で活躍する職業人24人の仕事内容をまとめた「えらぶ仕事図鑑を」制作した。2000部を発行し、島内の小学5、6年生と中学生に配布した。

 フィールドワークを中心に行った「せりよさ(=沖永良部島の昔の呼び方)研究」では、役場や観光協会、国立国語研究所(東京)、名桜大学(沖縄)などと連携し、島の農業や漁業、シマ桑、観光、方言、SDGsの六つのテーマについて調べた。

 受賞式は先月17日にオンライン形式で行われた。

 知名町役場を訪れた沖高3年の山元莉海さん(18)と赤地光世さんは、せりよさ研究で取り上げた「シマ桑」について、その効能や生産状況など調査した内容を発表した。

 今井町長は「生徒らのプレゼン能力が非常に高い。仕事図鑑もキャリア教育の一環として小中学生らに良い刺激を与えてくれた」と激励した。

 山元さんは「発表会を通して、島の価値を発信する機会を得られてうれしかった」。赤地さんは「インターネットや本で情報を集めることもできるが、実際に畑を見たり、農家に話を聞いたりすることの大切さが分かった」と語った。

 沖高は今年度も引き続き同財団の助成を受け「沖高みらい探求プロジェクト」に取り組む。