「環境文化協力金」へ機運

PRポスターを披露する境田事務局長

実証事業スタート PRポスターで推進後押し

あまみ大島観光物産連盟(有村修一会長)は9日、1日から開始した「環境文化協力金」の実証事業推進を後押しするPRポスターとポストカードを作製し、お披露目した。「守る。変える。奄美の未来」をキャッチフレーズに、金作原やサンゴ礁、八月踊りなどの写真を押し出し奄美の貴重な自然や文化をアピールしている。加盟団体や観光関連施設に配り、観光客や来島者への応援機運を盛り上げる。

実証事業は、世界自然遺産に登録された奄美の環境保全、伝統・生活文化継承のための財源確保が目的。観光庁が採択した2022年度「持続可能な観光推進モデル事業」で、協力金導入への電子(キャッシュレス)決済や徴収方法などのシステム構築を図っていく。

具体的には、ポスターに記載したQRコードをスマートフォンで読み取り、希望する決済から募金する。決済方法は、▽クレジット▽銀行振込▽携帯キャリア―などがあり、1口100円。事業は来年1月9日までで、集まった協力金は「植林やサンゴの移植」「伝統文化の維持・継承」「アマミノクロウサギの保護・増殖」といった対策や活動に充てていくという。

ポスター・ポストカードでは、奄美の山や海、自然や文化をテーマに各5種類のビジュアルで作製した。空港や港、ホテルなどの島内施設82カ所に配布し掲示。周知を強化していく。

同連盟の境田清一郎事務局長は協力金導入について「(財源を)行政に頼るだけでなく、島民や観光客が趣旨に共感し一緒に守っていくことで環境保全や文化継承の持続が可能になる」と強調。「協力して周知することで、機運が高まれば」と期待した。

キャッシュレス決済による協力金の導入は全国でも初めて。23年度以降は奄美大島5市町村での協力金条例制定も目指していく。