「市民と市長のふれあい対話」

大笠利文化センターであった「市民と市長のふれあい対話」。空き家対策や生活道路の整備などについて意見交換した

 

 

空き家対策や住宅整備など要望
奄美市笠利地区2カ所で

 

 奄美市の安田壮平市長が市政運営などについて住民と意見交換する「市民と市長のふれあい対話」が12日、奄美市笠利町の大笠利文化センターと宇宿生活館の2カ所で行われた。笠利地区の住民約70人が参加、空き家対策や定住促進、生活道路の整備など地域の様々な課題について、住民から質問や要望があった。安田市長は、質問に一つ一つ丁寧に回答、課題解決に向けた住民の協力を求め、地域の活性化に市民と行政が連携して取り組んでいく考えを示した。

 ふれあい対話は、安田市長のマニフェストの一つで、地域の課題やニーズを把握し、いち早く市政に生かすことなどを目的に今年度から実施している。今年7月に住用町で1回目の対話を行ったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、以降実施できずにいた。笠利地区では今月5日の笠利公民館に次いで、2、3カ所目の開催となった。

 大笠利文化センターの集会には、笠利中学校区の住民ら約45人が参加。安田市長が、笠利地区の人口の推移と今年度実施する市の主な事業などについて説明。合併前の1995年の国勢調査で7166人だった人口が、2020年には5364人まで減少していることなどを報告。特に同地区北部の佐仁小校区と笠利小校区の人口減少幅が大きいことなどに触れ、「農業や観光など笠利地区の魅力を生かしながら、地域活性化につなげたい」などと述べた。

 意見交換では、▽子どもの減少などによって休園となった保育所施設の活用▽定住促進のための住宅の整備や空き家の利活用▽所有者不明空き家の解消や危険空き家の撤去▽国際紛争など有事への対応▽市道赤木名・笠利線の整備▽笠利中学校正門前の整備―など様々な意見、要望が寄せられた。

 安田市長は、「笠利への移住を希望する人も多く、1年間に1組の移住を実現できれば人口減少にも歯止めがかかる。定住促進には住宅確保が重要になるため、民間の力も借りながら住宅の建設、確保につなげていきたい」などと答えた。

 宇宿生活館の集会には、宇宿小校区の住民ら約25人が参加。大笠利公民館の集会同様に、笠利地区の現状などについて安田市長が説明、地域の課題などについて意見交換した。

 意見交換会は1会場約1時間半。笠利地区では27日午後5時から喜瀬3区コミュニティセンターでも予定されている。名瀬地区の日程は現在、調整中。