「奄美大島オープンウォータースイミング大会」初開催

大会委員長南雲さんの合図で一斉にスタートを切る選手たち。スタートラインを持つ手伝いは大島高校生ら

3㌔の部上位入賞者ら笑顔で記念撮影。右から月迫、マクファーランド、木下、古賀、藤野、神谷(敬称略)。古賀さんは距離別で2位の好成績だった

今大会最年長で3㌔を泳ぎ切った石川さん。完泳後に余裕の笑顔でインタビューを受ける

「ばしゃ山ビーチ」で109人エントリー
「奄美の海きれいだった」

 奄美大島オープンウォータースイミング大会が13日、奄美市笠利町用安海岸の「ばしゃ山ビーチ」で開催された。天候が危ぶまれる中、午前7時30分に開催を発表、5㌔コース→3㌔、3㌔コース→2㌔、1㌔コース→1㌔、コースの距離を短縮して行われた。

 奄美大島初の大会には島外から95人、109人がエントリー。主催した奄美OWS(オープンウォータースイミング)実行委員会委員長の南雲雄治さん(44)が「奄美の夏は終わらない!」の大会宣言で幕が開いた。5㌔(3㌔)コースには25人、3㌔(2㌔)には47人、1㌔には37人がエントリーした。

 委員長の南雲さんは東京住まい、昨年10月に世界自然遺産に登録された奄美に初めて来島、島の魅力のとりこになった。「これからというときにコロナ禍で、島はひっそりとしていた。海の魅力はもちろん、沖縄にはない素朴さを伝えたい。スポーツツーリズムを通じて来てもらおう」と大会を企画した。

 自ら水泳コーチをしている人脈を生かし、各所に呼び掛けた。南雲さんは「大会成功には奄美の協力が不可欠。たくさんの人に支えられて開催にこぎつけた。今回の来島をきっかけに奄美を知って、家族や友人たちとまた来ようと思ってくれることを期待している」と目を輝かせた。また南雲さんはOWS競技の魅力については「自然を感じながら泳ぐことができる。風を読んだり波を読んだり、屋内では味わえない自由がある」と話す。

 予定より30分繰り下げて午前9時、南雲さんのスタートの合図で、最初のチームが一斉に水しぶきを上げ奄美の海に泳ぎ出していった。

 ライフセーバーたちに見守られながら、泳ぎ、次々と3㌔を泳ぎ切った選手たちが浜に戻ると、大きな拍手で迎えられた。

 男子3㌔で1位になったのは鹿児島情報高校2年の木下寿優(きしたかずま)さん(17)、2位は同校1年マクファーランド滉良(あきら)さん(16)、3位は吉野中2年の月迫葉空(はく)さん(14)。木下さんは日本選抜のリベンジで参加した。「ペースを上げきることができなくて悔しかったが30分を2秒縮めることができた」と笑顔を見せた。カメにも遭遇したといい、三人とも奄美の海がきれいだったと話した。 

 今回最年長だった石川淑江さん(65)は3㌔で出場、「いろんな魚がいて、とてもきれいな海だった。3週目は、これで海を上がるのかと思うと、もったいなくて、ゆっくり泳ぐのを楽しんだ。また奄美に来たい、開催してくれたことに感謝しかない。毎年続けてほしい」と満足気だった。

 1㌔コースには地元中高生らもエントリー、「これくらいの波なら大丈夫」と話していた金久中2年の勇海翔さん(14)は、見事2位でゴールした。

 記録は次の通り(敬称略)。

 【3㌔の部】▽男子 ①木下寿優(鹿児島)28分27秒②マクファーランド滉良(鹿児島)28分40秒③月迫葉空(鹿児島)28分46分▽女子 ①古賀千尋(兵庫)28分39秒②藤野舞子(東京)29分32秒③神谷有香(静岡)36分秒40代 

 【2㌔の部】▽男子①奥田壮太(千葉)20分34秒②加藤慶一(神奈川)21分02秒③岡﨑満(京都)21分28秒▽女子 ①前田ゆい(埼玉)22分13秒②森田知美(東京)23分50秒③西田史子(東京)25分56秒

 【1㌔の部】▽男子 ①長田央二朗(龍郷)10分18秒②勇海翔(名瀬)10分29秒③西鷹和伸(香川)10分30秒▽女子 ①森田知美(東京)11分34秒②海老塚あき(沖縄)12分51秒③野崎千賀(鹿児島)16分28秒