奄振予算確保、延長・拡充を

斉藤鉄夫国土交通相に要望書を手渡した一行

奄振予算確保、延長・拡充を
市町村長会・議会議長会 中央要望活動

【東京】奄美群島市町村長会(会長・高岡秀規徳之島町長)と奄美群島市町村議会議長会(会長・前田豊成龍郷町議会議長)は18日、2023年度に向けた奄美群島振興開発(奄振)の推進に関する中央要望活動を関係省庁で行った。一行は、国土交通省などに要望書を提出。また、自民党奄美振興特別対策委員会委員長の森山裕衆院議員らと意見交換した。

一行は国土交通省で、斉藤鉄夫国交相と対面。高岡会長は、「奄美群島振興開発事業予算の確保」「奄美群島振興交付金予算の確保」「奄美群島振興開発特別措置法の延長」の3項目を説明した。23年度概算要求額(一括計上分)は185億円。奄美群島振興交付金は27億9900万円の確保に向け要望したもの。

「奄振の延長」については「生産性だけでない農業の振興、観光交流、離島割引の沖縄路線への拡充」などを法改正のポイントに挙げ、「奄美群島は人材の宝庫。教育と文化の振興を法改正の文言に入れてほしい」(高岡会長)とした。続いて「隆起サンゴ礁の島における上水道の硬度低減化を」(今井力夫知名町長)「離島留学制度のさらなる充実を」(鎌田愛人瀬戸内町長)「修学旅行などの教育に民泊を」(竹田泰典龍郷町長)など各首長から延長、拡充の期待が寄せられた。安田壮平奄美市長は「世界自然遺産にも登録され注目度が高まったが、まだまだ所得の面が厳しい。さまざまな力添えを」と求めた。

これに対し斉藤国交相は、「群島の社会資本整備には重要だ。関係省庁と連携しながら全力で頑張る。交付金も引き続き確保、奄振の延長についても、これまでの施策を検証して、しっかりとやりたい」と語った。

一行は、続いて自民党奄美振興特別対策委員会委員長の森山衆院議員らに同様の要望をし、意見交換をした。森山議員は「本土の発展を引っ張っていく奄美に、というのが大事だ。要望書は他の国会議員と一緒になって実現したい」と力説した。

農水省では、野村哲郎農林水産相と面会。意見を交換した。ほか、新川康枝県大島支庁長、奄美群島振興開発基金・本田勝規理事長らによる一行はその後、環境省へ要望書を提出した。活動を終えた高岡会長は、「予算確保、延長に確かな手応えがあった。奄美独自の成功事例をとの激励に、身が引き締まる思いがした」と振り返っていた。