国指定史跡「徳之島カムィヤキ陶器窯跡」(検福ウッタ支群)で解説を受ける参加者たち=19日、伊仙町
【徳之島】伊仙町歴史民俗資料館主催「徳之島のいろは」の体験イベントシリーズの一つ「カムィヤキの森散策~窯跡を観察しよう!」が19日午後あった。町内外から親子連れや関係者約30人が参加し、学芸員の案内と解説で国指定史跡エリアの森を散策。先人らの息吹きを探り、歴史ロマンにふれた。
地域の特色ある埋蔵文化財活用事業体験イベントシリーズ。2年目の今年度は「勾玉(まがたま)づくり」「人骨のはなし」(実施済み)などのほか「鍾乳洞あるき」(12月10日予定)の計5回シリーズを企画した。
国指定史跡の「徳之島カムィヤキ陶器窯跡」エリアの「カムィヤキの森」(同町検福)のガイドは與嶺友紀也学芸員(31)らが担当。参加者たちは、起伏に富み、一部すべり止めロープも張られた遊歩道を職員らの安全サポートで歩を進めた。
約1千年前、奄美・沖縄の人々の生活に欠かせない食器として登場したカムィヤキ陶器。その後約3百年間、南西諸島で一大シェアを誇ったこと。カムィヤキの森では100基以上の窯跡が確認され、他の地域では見つかっていないことなど解説に耳を傾けた。遺物の陶器片にも触れ、中世の歴史ロマンに浸った。
このあと、謎の船形が刻まれた「馬根の線刻画」や、カムィヤキ陶器の時代の按司(あじ=地域の権力者)の城跡とされる「ウービラグスク」まで約750㍍の周回コースを満喫した。
元山明日香さん(40)と参加した長女美弥さん(喜念小6年生)は「地元の自然や歴史に関心が。登るのは大変だったが、数百年以上も前に(陶工など)人々がいた歴史的な場所に、自分がいることが不思議な気分になりました」と話していた。