瀬戸内町でドローン配送サービス検証

惣菜を受け取り笑顔を見せる、森さん

複数機で長距離飛行 通信不具合や機体落下も

「鹿児島県地域解課題解決型ドローン実証実験」に採択された、ドローン配送サービスの検証が21日から、瀬戸内町で始まった。㈱森建設(鹿屋市、森義大代表取締役社長)、瀬戸内町、㈱石川エナジーリサーチ(群馬県太田市、石川満代表取締役社長、以下「IER」)、㈱エアリアルワークス(鹿児島市、肥後誠代表取締役社長)、ANAホールディングス㈱(東京都港区、芝田浩二代表取締役社長、以下「ANAHD」)、双日九州㈱(福岡県福岡市、香田篤志代表取締役社長)が、新たなコンソーシアム「ID(いつでもどこでも)プロジェクト」として、瀬戸内町で異種複数機の運用および長距離飛行を使ったドローン配送サービスの検証をしている。

24日は、同町古仁屋港から二次離島である、加計呂麻島、与路島に食料品や日用品をドローンで配送する実証実験を行った。加計呂麻島の押角集落へは、ACSL社製PF2(最大積載量1・7キログラム)、与路港へは長距離運航が可能なIER社製のハイブリットドローン(最大積載量5キログラム)を使用。Aコープ瀬戸内店に注文した惣菜類の搬送を想定し実施した。

押角集落には、2度の運搬を行ったが、通信の不具合により2度目の復路は運航できなかった。また、与路港に離陸した機体は、離陸地点から約2・7キロの地点で落下し着水した。

ANAHD未来創造室デジタル・デザイン・ラボ、信田光寿ドローンプロジェクトディレクターは「通信の不具合は想定内。今後の課題として解決に取り組む」。IERの林一樹執行役員SED連携担当は「現在機体を捜索中で原因は不明。原因究明と今後の対策をしっかりと行っていく」と話した。

全体管理と調整をした森建設、森社長は「実用化まで課題は多いが、いろいろな会社の知恵を結集し解決に取り組み、新たなサービスの在り方を模索していきたい」と語った。

注文した品物を受け取った、押角集落区長の森圭一郎さん(70)は「天候の問題や配送できる量や値段にもよるが、欲しい物が欲しい時に手に入るのはありがたい」と話した。