畑の石砕いて農地整備

破砕される石のデモンストレーションに見入る参加者たち

農業機械ストーンクラッシャー 奄美市で実演会

 県大島支庁と奄美市は25日、農地の土づくりなどで生じた石の除去に活用する農業機械「ストーンクラッシャー(石礫=せきれき=破砕)」の実演会を奄美市名瀬西仲勝にあるほ場で開いた。ストーンクラッシャーはトラクターの後部に取り付けて使う機械で、ローターが高速で回転しながら畑にある石を砕いていく。参加者らは石を砕いて農地を整備するデモンストレーションに見入り、農業の効率化、作業の省力化などに期待した。

 土づくりによる営農環境の改善や荒廃農地の解消が目的。市内の農家や指導農業士、行政など約30人が見学した。

 実演したのは、北海道に本社を置くストーンクラッシャー販売代理店の㈱ロールクリエート・大坂伸人さん。フランス製でローターの長さは約1㍍。70馬力以上のトラクターの後方に装着し、走行上にある石を砕く型式のブイヨーBP138を使って性能を披露した。

 大坂さんは、スライドや映像を使って機械の概要を説明。「石の中には鉄分やミネラルも豊富に含まれる。取り除かず砕くことで、天然の栄養素にもなる」と訴えた。

 ほ場では、大きさや硬さの異なる石を複数置き、その上をトラクターが進んだ。20~30㌢あった石は約5㌢角まで粉砕し、2回目ではさらにその半分程度まで砕かれた。参加者らは、近寄って土を掘り返したりと状態を確認。興味深く質問をぶつけていた。

 県大島支庁農村整備課の鍋田康之課長は「耕作地にはいろんな条件があり、悪い所には行政と民間が連携して知恵を出しながら改善しなければならない。担い手の集積や活性化につながれば」と話した。

 今後は他地域でも実演を実施。県の購入なども視野に民間と検討を進めていく。