湯湾岳登山道で希少植物を観察する生徒たち
環境保全の意識向上へ
希少植物観察と外来種駆除活動
大和村の大和中学校(抜水茂樹校長、生徒31人)3年生13人は28日、郷土の豊かな自然・環境を学ぶフィールドワークを湯湾岳などで行った。奄美野生生物保護センター職員の案内で奄美群島最高峰の森を散策。村道の外来種駆除も行い、環境保全の意識を高めた。
「総合的な学習」の一環で、身近な自然を観察して郷土の魅力と課題を知ることを目的に毎年実施。同センターの池上温人さんは2020年から案内を務め今回で3度目になる。
生徒たちは大和村側入口から湯湾岳展望台を目指して登山道を散策。「生物は気温や高度によって生息地をすみ分ける。奄美で一番高い湯湾岳には、ここにしかない植物も多い」という池上さんの説明に耳を傾けながら、希少植物を観察。湯湾岳のみに生育するアマミヒメカカラ、絶滅危惧種のマメヒサカキなどの特徴を熱心に記録した。
また村道マテリア線では侵略的外来種・セイタカアワダチソウの駆除作業を行い、70㍑ごみ袋6袋分を回収。生徒たちは、世界自然遺産の核心部に保護すべき植物と駆除しなければならない植物が存在することを知り、環境保全の大切さを体感した。
フィールワークを終えた林琉葵刀=るきと=君は「たくさんの希少植物を見れて楽しかった。外来種は簡単には根絶できないので、一人ひとりの日常での意識づけが必要だと感じた」と話した。
引率した川上潔教諭は「奄美の自然は身近にあるけどなかなか深い森には踏み込めない。この経験を機に郷土を愛する心を育んでほしい」と生徒たちへの思いを語った。