マリンタウンで売買契約解除

契約解除となったマリンタウンの土地

1次公募締結の流通関連用地 使用用途の追加、説明なく

奄美市開発公社(理事長・安田壮平奄美市長)と奄美市は29日、名瀬港本港地区埋立地(マリンタウン)の分譲地について、購入した事業者側から契約解除の申し出があり、協議を行った結果、今月22日に合意解除に至ったことを明らかにした。同公社によると、土地の売買契約時に、この事業者が購入した土地と同じ流通関連の使用用途を、別の土地の用途に新たに追加、再公募することを説明していなかったという。安田市長は「丁寧な説明に欠けていた。民間事業者にとって(使用用途の追加が)大きな影響を及ぼすこともある。認識の甘さがあった」とし、公社側に落ち度があったとの認識を示した。29日の市議会全員協議会で報告した。

安田市長「認識甘かった」

契約解除となった土地は、マリンタウンの臨港道路に面した南端に位置し、19年7月の第1回公募で、流通関連の指定用途で分譲された。この公募では、17区画の分譲に対し、同地を含む計5区画について3事業者が公募、土地売買契約を結んだが、12区画もの土地が売れ残ったため、同公社は21年2月に第2回公募を実施した。

その際、事業者側へのアンケート結果などを踏まえ、臨港道路に面した3区画を含む6区画で、新たに流通関連の用途が追加された。事業者側との売買契約は、用途追加を決定した約1カ月後だったが、追加についての説明をしていなかったという。

契約解除となった土地の売却額は約2億4000万円。同公社は近く、土地代と契約などに要した経費を含め、事業者側に返却する意向で、担当者は「事業者側と協議を進めていきたい」としている。

契約解除後の土地の処分方法については、同公社が宅地建物取引の免許失効により取引ができないため、市に無償譲渡する形で、市が今後、分譲などを検討していく。

マリンタウンでは現在、売れ残っている4区画について、第3回公募が市によって行われている。市財政課によると、これまでに、島外企業を含む4事業者の公募があり、現在、書類による1次審査を終え、来年1月16までの2次審査が行われている。

契約解除となった土地の分譲時期や公募方法などは決まっておらず、市財政課は「3次公募の状況なども踏まえ、検討していきたい」としている。