空き家の利活用と住宅不足解消などの取り組みが報告された空家等対策推進地域会議
2022年度空家等対策推進地域会議(県大島支庁総務企画課主催)が30日、大島支庁であり、奄美群島で空き家の利活用などに取り組むNPO法人「あまみ空き家ラボ」(佐藤理江理事長、本所・和泊町)の事例発表や空き家に関する各市町村の課題などについて意見交換した。
同会議は、群島内の空き家などの現状や課題について情報を共有し、地域の実情に応じた対策などを検討、課題解決につなげることを目的に実施、県や群島内市町村の空き家対策担当者らが出席、オンラインで参加した。
県住宅政策室の担当者が鹿児島県の空き家率が19%(全国平均13・6%)と全国で6番目に高くなっている現状と、空き家の解消に向けた県内市町村の取り組みなどを紹介。NPOなど民間と連携した空き家対策の事例などを報告した。
あまみ空き家ラボと与論町が連携し取り組んでいる「与論島住まいるプロジェクト」については、同町の担当者らが発表。深刻な住宅不足に直面している同島の現状や今後の取り組みなどについて報告した。
与論島では、移住希望者が多い一方で、公営住宅が少なく、農地や国立公園地域も広く宅地不足などから住宅の確保が困難な状況が続いているという。同町などによると、これまでに島内の調査で87戸の空き家が確認された一方、移住希望者や島内の転居希望者などを合わせると、約400戸の住宅が必要で、空き家数が需要に追い付かない状況にあるという。
また、住宅不足によって島外からの人材確保が困難となり、地域経済にも大きな影響を及ぼしているとし、空き家の流動化に向けた所有者への働きかけとともに、住宅供給を増やすための土地の流動化が喫緊の課題としている。今後の取り組みについては、今年度中に、住宅不足解消構想の骨子を作成、あまみ空き家ラボなどと連携し、空き家の確保と活用などを図っていく。
群島市町村の取り組み発表では、奄美市が今年10月に県宅地建物取引業協会と協定を結び、空き家情報の提供や所有者への相談対応などを連携して進めていることなどが報告された。