喜界島狂言会

独特の言い回しやコミカルな駆け引きに笑い声が響いた「喜界島狂言会」

古典芸能、演技に大笑い
狂言師・河田全休さんが公演

 喜界町で狂言指導を行うなど、島民とも縁の深い給湯流狂言師・河田全休さんらによる公演「喜界島狂言会」がこのほど、同町の小野津小学校体育館であった。「柿山伏」「ひなた山」の2演目が上演。町民ら約130人が観劇し、人間の愚かさを笑いで包む古典芸能の面白さに親しんだ。

 文化庁が助成する「河田全休ふるさと狂言ツアー」の一環。島口を使った狂言で子どもたちの指導にあたる喜界島言語文化保存会(武藤安子代表)が主催した。

 「柿山伏」は、柿を盗み食いした山伏が木の持ち主に見つかり、何とかその場をやり過ごそうと取り繕う話。山伏がはやし立てられ、カラスやサルなどの鳴きまねをする場面に笑い声が広がった。

 喜界島民話の創作「ひなた山」では、ごちそうになった食べ物の名前を忘れ、とぼける演技に大笑いした。会では、三味線が響く長唄の披露もあり、盛り上がった観客らが踊りで参加した。狂言の笑い方や泣き方に挑戦するワークショップでは「ワーハッハッハー」と独特の声をみんなで練習するなど、芸の一端にもふれた。

 福留多美子副代表は「参加型で島民に笑顔が広がる楽しい会になった」と感謝。「これを機に国の大切な文化にも目を向けてもらえれば」と話した。