県議会一般質問

来年度適地調査を計画
古仁屋港、防衛関係係留施設整備
「地元に丁寧な説明を」

 12月定例県議会は6日から一般質問に入り、同日は森昭男議員=公明党、鹿児島市・鹿児島郡区=、鶴田志郎議員=自民党、肝属郡区=、寿肇議員=自民党、大島郡区=、堀之内芳平議員=自民党、鹿屋市・垂水市区=が登壇。寿議員が取り上げた南西諸島の防衛力強化の一環として国が古仁屋港に計画している港湾整備について当局は、来年度、適地調査などが計画されていることを報告した。

 長島和広・危機管理防災局長は答弁で「国から、古仁屋港およびその周辺において輸送や補給基盤の整備を目的とした係留施設等を整備するため来年度、適地調査等の実施を計画していると聞いている」と説明。防衛安全保障政策は国の専管事項だが、長島局長は「国は適地調査や係留施設等の整備を進めるにはあたっては県や瀬戸内町に対し、丁寧な説明を行ってほしい」と述べ、事業計画策定の際には県や瀬戸内町に説明があるとの考えを示した。

 離島港湾における貨物船や旅客船の抜港対策について安原達・土木部長兼本港区まちづくり総括監は「本県離島の港湾の多くは外海に面し、台風や冬季風浪による影響を強く受ける厳しい環境にある」とした上で、県としては「荒天時でも島に安定的に定期フェリーが寄港できるように徳之島における亀徳港や平土野港のように、主要港とそれを補完する港の整備を進めている」と答弁。現在、主要港では亀徳港や喜界島の湾港などで港内の静穏度の向上を図るため防波堤の整備を計画的に進めているとした。

 沖永良部島の花きの販路、消費拡大に向けた取り組み、喜界島のアリモドキゾウムシ(サツマイモの病害虫)防除事業については松薗英昭・農政部長が答弁。それによると花きの流通販売では近年、実需者から花束加工する際の労力軽減や茎、葉などのごみ処分コスト軽減の取り組みとして通常の出荷規格より茎が短い「スマートフラワー規格」の花の供給が求められている。そこで県は販路拡大に向け国の事業を活用し、沖永良部島の出荷団体が取り組むスマートフラワー規格による流通実証を支援しており、今年7月からスプレーギク、11月からソリダゴの切り花加工業者などとの契約取引が開始されている。

 喜界島でのアリモドキ根絶事業は、島を五つの防除地区に分けて防除効果を確認しながら実施。このうち誘殺剤などによる生息密度の低下と不妊虫放飼を組み合わせた防除を実施している防除強化区域について松薗部長は「密度が低下し、一定の防除効果が表われている」と説明。その他の地域では不妊虫の放飼数に限りがあることや、崖地など人手による防除が困難な箇所もあり根絶に時間を要しているとした。