オンラインで結び複式授業

4校をつないだ遠隔授業


教諭たちが話し合った「授業研究」

宇検村内4小、遠隔で実施
名柄小で実証、学習指導研究も

 宇検村の名柄小学校(迫田尚久校長)は5日、県の施策「みらいの学び推進事業」実証授業を行った。村内全4小学校をオンラインで結び、複式5・6年生社会科の授業を遠隔で実施。県教育庁・大島教育事務所、村教育長らが視察。授業終了後には「授業研究」を行い、思考力・判断力・表現力などを高める学習指導の研究を行った。

 同事業は、Society5・0時代において、多様な課題に立ち向かい、その解決を図るための資質・能力を育成するため、学校ICTの専門家などによる学校・市町村教委への指導面及び技術面を支援することにより、GIGAスクール構想の更なる推進を目指すのが目的。大島地区では、名柄小と笠利中が指定を受けている。同遠隔授業は10月24日に続き2回目の実施となった。

 遠隔授業には、名柄小(5年1人、6年1人)、田検小(5年9人、6年4人)、久志小(5年4人、6年2人)、阿室小(5年4人、6年2)が出席。5年生は「自動車開発で一番大切だと思うこと」、6年生は「優れた武将ランキングを作ろう」をテーマに、児童たちは他校の生徒と話し合った。

 授業は、黒板もノートも使わず、タブレット内の共有ノートや提出BOXを使用して行われた。

 授業を担当した、名柄小の川上将敬教諭は「時間配分がうまくいかない部分もあったが、他校の児童に自分の思いや意見を語れたと思う。子どもたちが笑顔で参加し、やって良かったと感じた」と語った。

 同小5年の嬉内=きない=夏那さんは「2回目だけど緊張したが、久しぶりにみんなに会えてうれしかった。他校の人と一緒に授業ができて楽しかった」、6年の内田翔己=とき=君は「緊張したけど、みんなの意見を聞け、話し合うのは楽しい」と笑顔を見せた。

 「授業研究」は、同校教諭と大島教育事務所職員が2グループに分かれ、遠隔授業の成果や課題などを抽出。開催にあたり、村教委の村野巳代治教育長が「多様な考え方に触れづらいといった、小規模校の課題解決としたい。子どもたちの思考力・判断力・表現力を高められるよう協力していきたい」とあいさつした。

 グループ発表では、「複数の学校で複式学級であり、遠隔で行うことの難しさはあったが、児童が笑顔で積極的に参加していた」「遠隔先の教諭との連携が今後の課題」などの意見が出た。

 県教育庁高校教育課学校教育ICT推進班、中村太一指導主事は「宇検村が目指す遠隔授業の姿が見えた。児童の笑顔が印象的で、タイピングなどの成長が見られた」と語った。

 迫田校長は「今後は教諭ができることと、児童ができることを分けて進めることが必要。中学への進学とともに中学校にも伝わってほしい」と話した。