12日から移動規制 第3回広報強化週間

今月12日から始まる植物などの移動規制「第3回広報強化週間」をPRする名瀬支所の植物検疫官

「苗への付着注意して」谷山港でアフリカマイマイ確認

年末年始の移動時期を前に、植物防疫法に基づく「植物等の移動規制」の周知を図ろうと門司植物防疫所名瀬支所は、今年度第3回広報強化週間を12~16日まで実施する。先月には鹿児島市の谷山港で、奄美群島以南に生息し移動規制の対象となっているアフリカマイマイ1匹が確認されたことから、苗への付着などに注意するよう呼び掛けている。

アフリカマイマイは農作物に被害を与える外来種の大型カタツムリ。県本土での確認は2007年以来となった。谷山港の植え込みで見つかったが、発見場所は沖縄・奄美航路の岸壁付近。植防は「今回はコンテナによって持ち込まれたとみられているが、苗などに紛れ込む可能性がある。大型のカタツムリであり、移動するものに付着していないか十分に注意してほしい」と指摘する。

この野菜類全般を食害するアフリカマイマイのほか、奄美群島以南にはサツマイモなどに大きな被害を与えるアリモドキゾウムシなどの特殊な害虫が発生している。また、徳之島以南の各島には、かんきつ類に大きな被害を与えるカンキツグリーニング病が発生。これらの病害虫が付着する植物などは、発生地域からの移動が法律によって規制されている。

現在「津之輝」の収穫期だが、年末年始は奄美で生産されたかんきつ類が出回る時期。持ち出し規制の対象になっているのはかんきつ類の苗木や枝葉、ゲッキツの苗木や枝葉で、かんきつ類の果実は「葉を取り除けば」持ち出すことができる。植防では葉付きに注意し除去、果実そのものは持ち出せることの理解を図っている。

名瀬支所では、未発生地域でのまん延防止へ日頃から海空港での取り締りと広報に努めているものの、依然としてかんきつ類の苗木、サツマイモなどを移動しようとする事例は少なくないという。「広報強化週間」を通し、住民や旅行者などに移動規制について周知していく。