三献「吸い物」など3品に挑戦

グループメンバーに指導を受けながら郷土料理に挑戦する大和中生徒たち

地元女性グループが郷土料理指南
大和中で調理実習

 大和村の大和中学校(抜水茂樹校長)は9日、同校で調理実習が行われ、1年の生徒11人がハーヤマンご飯や三献の吸い物など郷土料理づくりを体験した。同村の女性グループ「まほろば生活研究グループ」(泉美保子代表)が調理を指南。生徒たちは実習を通じて、地域に根付く旬の食材や、文化や行事に深く関わる料理の作り方を学んだ。

 同校総合的な学習の時間の一環。地元食材を使った加工品の製造・販売を手掛ける同グループメンバー7人が講師を務めた。

 メニューは、赤紫色の山イモを使った「ハーヤマンのご飯」、三献の赤椀にあたる「餅入りの吸い物」、地場産のイモに餅粉などを混ぜて揚げる菓子「イモ餅」の郷土料理3品に挑戦。調理には冬に旬を迎える地元食材を厳選してつかっており、講師の政德代さん(70)は「島の食材は季節や行事などが密接に関わっている。調理して食べるだけでなく、伝統や文化といった側面にも目を向ける機会になれば」と実習の意図を語った。

 生徒たちは、事前に仕込みを済ませておいた食材を手に取り、包丁を使って皮をむいたり、材料を混ぜ合わせてこねたりと調理を開始した。吸い物では赤紫のハーヤマンを紅白のかまぼこに見立てて、餅やエビ、シイタケを見栄えよく椀に盛り付け。地域で採れたカツオ節と昆布で煮だした出汁=だし=をかけて完成させた。

 ハーヤマンを初めて食べたという福長凜愛さんは「吸い物では出汁がしみていて、おいしかった」とご満悦。「(冬休みなどに)家族と一緒に頑張って作ってみたい」と笑顔だった。