リサイクル率、県平均の半分

空き缶類などリサイクル率向上が奄美群島の課題となっている(資料写真)

 

 

海岸漂着物回収20年度は870㌧
奄美群島

 

 家庭などから排出されるペットボトルやスチール缶などを資源化するリサイクル率は奄美群島の場合、2020年度のまとめで8・4%となり、県平均(16%)の半分にとどまっていることが分かった。海辺の景観を台無しにする海岸漂着物は同年度、約870㌧が回収された。

 県議会一般質問の答弁で谷口浩一・環境林務部長が明らかにした。廃棄物のうち一般廃棄物の排出量は約4万2400㌧で、うち約3万1100㌧が焼却などにより減量化され、約7700㌧は埋め立てにより最終処分された。

 多量に排出されるペットボトルなどの資源化量は約3600㌧で、リサイクル率は10%にも届いていない。県内では大崎町が一般廃棄物の資源化を積極的に進めている。20年度のリサイクル率は83・1%で、県平均だけでなく全国平均(20%)も大きく上回っている。

 奄美群島の市町村のうち与論町は現在、国の交付金を活用して浄化槽汚泥のリサイクル推進施設を整備中。循環型社会を目指し資源のリサイクルに向けた取り組みを進める動きもある。

 同年度の産業廃棄物の排出量は約34万3千㌧。このうちがれき類など建設系は約8万4千㌧。産業廃物は廃棄物処理法により20種類に区分されており、がれき類は再生採石に、木くずは木チップとして島内でリサイクルされている一方、島内で処理困難な産業廃棄物は島外へ搬出され処理されている。

 季節風が吹き荒れる冬場など東シナ海側で目立つ海岸漂着物は、主に国の海岸漂着物等地域対策推進事業を活用して回収などが行われている。市町村による回収が行われており、同制度の国庫補助率は奄美群島など離島地域の場合9割と高い。また市町村負担分の8割は特別交付税で措置されることから、地元負担はほとんどない。外国などからの漂着物を回収し、海辺の美しい景観を守るためにも市町村を窓口に国の事業の活用が求められそう。