「奄ふるプロジェクト」にぎわう

生徒たちが接客を担当、ツアー客らをもてなした「奄高レストラン」

 

 

多くの来場者でにぎわった「奄ふるマルシェ」

 

 

奄美高生徒が企画運営
観光客や地元客ら来場
マルシェやレストラン

 

 

 奄美市名瀬の県立奄美高校(田中耕一郎校長、生徒391人)の情報処理科、商業科、家政科の3年生ら約60人が企画、運営などを手掛けた「奄美の魅力フルコース堪能(奄ふる)プロジェクト」のメーンイベント「奄高レストラン」と「奄ふるマルシェ」が10日、同市の山羊島ホテルで行われた。レストランでは生徒らが接客などを行い、観光客らをもてなしたほか、マルシェ会場には島内の企業や飲食店などが出店、関東や関西から訪れた観光客のほか、地元住民らに特産品など販売、奄美の魅力をPRした。

 同プロジェクトは、同校3年生が中心となり4月から企画の立ち上げや出店してもらう企業の選定などの準備を始め、7月からはワールド航空(本社・東京都)と山羊島ホテル、あまみエフエムなどの協力も得て、観光客への満足度アンケート結果などを基に、3泊4日のツアーの中の1日分の行程をプロデュースした。

 レストランでは同校の生徒たちが接客係をしたほか、同校郷土芸能部の生徒らがシマ唄を披露。奄美大島の新鮮な魚介類や野菜などを使ったコース料理のほか、同校家政科の生徒らが考案したデザートなどを提供、ツアー客らをもてなした。

 初めて奄美大島を訪れたツアー参加者の神奈川県葉山町、菅田克美さん(87)は「若い人たちと触れ合うことができてとても楽しい。料理もシマ唄のおもてなしも最高。楽しい思い出になりました」と話し、旅行を堪能していた。

 同ホテル芝生ホテルで行われた奄ふるマルシェには、島内の28企業が出店。同校の生徒が地元企業とのコラボで開発したラスクやわらび餅、じゃりパン、おにぎりなどの商品を販売するチャレンジショップにも多くの買い物客が訪れていた。

 生徒からの依頼を受け出店した宇検村屋鈍のプリン専門店「che」の髙島聡二さん(50)は「田舎の小さな店に声をかけてもらいありがたい。高校生の熱い思いが伝わってきた。イベントが成功してよかった」と話した。

 プロジェクトの統括リーダーを務めた情報処理科3年、田中梨瑞さん(18)は「新型コロナなどの影響で、開催できるか心配だったけど、たくさんの人たちの協力で成功することができた。ツアー客の人たちに奄美の魅力を伝えることができ、島の特産品などもPRできてよかった」と笑顔。マルシェリーダーの同校情報処理科3年、中村海翔さん(17)も「観光客や地元の人たち、出店者も楽しめるイベントになってよかった」と話した。

 生徒たちと一緒にツアーを企画したワールド航空の松本育美さんは「高校生たちと一緒に、新しい島旅のカタチをつくることができた。生徒たちも良い経験になったと思う」と、ツアーの成功を喜んだ。