潜水調査でサンゴの被度や生物の個体数を調査(提供写真)
加計呂麻沖でリーフチェック
瀬戸内町海を守る会
瀬戸内町海を守る会(祝隆之会長)はこのほど、同町加計呂麻島の安脚場沖でリーフチェック(世界規模で実施されているサンゴ礁の健康度を測る調査)を行った。同会9人、奄美海洋生物研究会1人、同町役場職員1人が参加。同ポイントで調査を行うのは22年連続22回目。報告によると、白化群体はほとんど見られず、生サンゴ被度は微減したが、サンゴ群集は良好な状態だった。
サンゴの被度は、水深5㍍側線で60・6%、10㍍側線で51・9%。水深5㍍側線は、2021年の66・3%から微減したが、白化群体やオニヒトデの食痕は見られなかった。
水深5㍍側線の魚類出現数は、チョウチョウウオが21年の22個体から46個体と倍増したが、無脊椎生物では20年に12個体見られたシャコガイ類が見られなかった。
水深10㍍側線の魚類出現数は、チョウチョウウオが21年の11個体から46個体と4倍強に増加。無脊椎生物ではシャコガイ類が21年の10個体から11個体とほぼ同数だった。両側線ともオニヒトデは見られなかった。
海を守る会は、両側線とも新規加入のサンゴが少ない状態が続いているが、「大型ミドリイシ群体が生存し、幼生の供給源や観光資源としても重要で、22年間サンゴが壊滅することなく保全されていることは、サンゴ礁全体の成功例と言える」と指摘している。
また、同会ではダイビング用の係留ブイに加え、昨年から同海域浅所のボートシュノーケリング用のブイを設置し、サンゴ礁の適正利用を推進している。今回の調査では、サンゴに絡まった漁網(ゴーストネット)の回収も行った。