伊仙町2世 広瀬選手を「ふるさと大使」

「伊仙町ふるさと大使」の任命を受けた同町2世の「鹿児島ユナイテッドFC」キャプテンの広瀬健太選手=13日、同町役場で

鹿児島ユナイテッドFC主将

 【徳之島】鹿児島市をホームタウンとする日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の「鹿児島ユナイテッドFC」キャプテンの広瀬健太選手(30)=埼玉県出身=が13日、伊仙町役場を訪問。職員たちの大歓迎を受けながら大久保明町長から「伊仙町ふるさと大使」第1号の任命を受けた。父が愛するふるさとのPR役に熱意を示し、地元のサッカー少年たちとも交流して夢を育んだ。

 広瀬健太選手は埼玉県川口市生まれ。同市で建材店を営む父彰夫さん(66)が伊仙町東伊仙西集落の出身。実家には祖父義統さん(89)が健在。ふるさとサイドから広瀬選手はいわゆる「伊仙町2世」とたたえられる。

 広瀬選手は、浦和レッドダイヤモンズアカデミーや浦和ユースを経て日本体育大学。2015年に湘南ベルマーレに入団してプロの道へ。16年に栃木SC、18年アルビレックス新潟、20年AC長野パルセイロなどへの移籍を経て、21年12月28日に鹿児島ユナイテッドFCへの完全移籍を発表した。

 キャプテンとしてチームを率いた今季のJ3リーグは第3位(勝点66)となり、第2位(藤枝)に1点差で惜しくもJ2昇格は持ち越しとなったが、ベストイレブンに選ばれた。

 徳之島入りはプロ1年目(湘南所属)に祖父義統さんを訪ねた後、コロナ禍もあって7年ぶり。サッカーを通じて父祖の地を積極的にPRする「伊仙町ふるさと大使」案は、同選手の親せきの歯科医師が懸け橋となった。

 広瀬選手は「父から『いずれは鹿児島でプレーして欲しい』と言われていた。父はめちゃくちゃ伊仙町を愛しており、何か恩返しができればと思っていた」。今季は「J2に昇格したかった。J3も甘くはなかったが印象。鹿児島はサポーター熱い。来年は必ず昇格します」ときっぱり。

 認定書を手渡した大久保町長は、温水プールやトレーニング室が備わった「ほーらい館」などの自主トレーニング活用も期待。「何よりも伊仙町2世としての活躍が誇らしい。サポーターとして出身者を挙げて応援に行きたい」と声を弾ませた。

 午後5時すぎからは同町総合体育館でサッカー少年たちとも交流し、「まずサッカーができることに対し保護者に感謝を。そしてサッカーを楽しむことが大事」と話していた。