文部科学大臣表彰を受賞

12日夜にあった定例サークル、クリスマス会の席上、参加者に文部科学大臣表彰の受賞報告、表彰状をお披露目。受賞を喜ぶ参加者

手話サークル「てて」創立33年

「創立33年、奄美市名瀬地区を拠点に活動継続」―。「奄美地区聴覚障害者協会」と共に聴覚障がい者の支援や交流活動、手話の普及などに努めてきた手話サークル「てて」(栗林伸明会長、会員30人)は、12月6日付で2022年度「障害者の生涯学習支援活動」に係る文部科学大臣表彰を受賞した。6日、奄美市役所で表彰伝達式があり、村田達治教育長から栗林会長へ表彰状を手渡した。

「障害者の生涯学習支援活動」評価

文部科学省によると、22年度は全国で51団体、5個人が文部科学大臣表彰を受けた。

同省は、56受賞団体・個人の取り組みを紹介する「事例集」を作成し、ホームページで公開しており、手話サークル「てて」のこれまでの活動も紹介している。タイトルは「紡ぐ『て』と『て』が、言葉を繋ぐ」。その内容を紹介する。

■活動内容

平成元(1989)年に結成されて以来、奄美大島唯一の手話サークルとして、「奄美地区聴覚障害者協会」と共に、地域社会に対し、聴覚障がいへの正しい理解と認識を呼び掛け、聴覚障がい者の人権を擁護し、手話の普及と会員相互の親睦を図ることを目的として活動している。

主な活動として、毎週月曜日に開催している例会(定例サークル、午後7時~8時半、会場・市民交流センター多目的室、第3月曜日を除く)での手話学習や手話を使ったゲーム、出前講座を活用しての体験活動や交流活動、聴覚障がい者の参加する福祉スポーツ大会や、障がい者・健聴者親睦グラウンドゴルフ大会などでの手話通訳(情報保障)等のボランティア活動を行っている。

また、奄美市の主催する手話奉仕員・通訳者の養成講座や、福祉専門学校、県立高校、介護職員初任者研修への講師通訳派遣なども行っている。

さらに、聴覚障がい者との親睦・交流を目的としたレクリエーション(懇親会やボウリング大会、グラウンドゴルフ大会、花見など)も毎年続けており、コミュニケーションの輪を広げる活動も行っている。

■活動の経緯・体制

 初級手話講習会修了者のメンバーが自主的に始めた勉強会の中で、当時の「大島地区ろうあ協会」会長から「サークルを発足してほしい」との要望があり、1989年4月に「手話サークルてて」が結成された。

総務部(手話学習等)、広報部(行事の周知・機関誌の発行)、福祉部(各種行事の企画・運営)の3部会で成り立っている。

活動の効果・普及状況について同団体は「手話講座受講生や手話に関心を持っている人々が『手話をもっと学び、聴覚障がい者とのコミュニケーションを深めていきたい』と、サークルに入会される人も年々増えてきている。また、自主的に手話検定試験に挑戦するなど手話活動に理解と熱意を持った会員も多数在籍している」と紹介している。

栗林会長は「受賞は先輩方が活動を続けてきた結果」などと述べた。12日夜、市民交流センター多目的室で定例サークル、クリスマス会が開かれ、受賞の報告と表彰状のお披露目があった。