網野子トンネルで防災訓練

網野子トンネルでの防災訓練を通し、各関係機関は連携を確認した

一連の対応と連携確認

 奄美市住用町役勝と瀬戸内町勝浦を結ぶ国道58号網野子バイパスの網野子トンネル(全長4243㍍)内で15日、交通事故を想定した防災訓練があった。県や瀬戸内町、警察や消防関係者など計11機関約60人が参加し、事故発生時の連絡体系や救助、救急搬送など、一連の対応と連携を確認した。

 事故は、網野子側入口から800㍍入ったトンネル内で乗用車2台が正面衝突。一方の車両からはオイルが漏れ、火災発生の恐れがあると想定した。

 訓練では、目撃者の通報を受けて警官が駆け付け、通行規制と避難誘導を行った。事故車両からの救出では、消防隊員が特殊な機材を使ってドアをこじ開け、負傷者に見立てた人形を救出した。要救護者の2人は担架で救助。煙が立ち上る車両には、消防隊員がホースを伸ばし懸命な消火にあたった。

 訓練後、大島地区消防組合名瀬消防署の圓博志署長は「スムーズな活動だった。訓練は持ち帰って再検証し、改善できるところは検討してほしい」と講評。新門和洋県大島支庁瀬戸内事務所長は「奄美も自然遺産登録され今後は通行量も増えることが予想される。長いトンネルでは事故発生すれば拡大する可能性も高い。(今後も)関係機関が連携を高めて広域での体制確立に努めたい」と気を引き締めた。

 同トンネルは奄美群島で最も長いトンネルとして2015年3月に供用開始。瀬戸内署によると22年までの直近3年間では、20年1件(物件1)、21年2件(人身1、物件1)の交通事故が同トンネル内で発生している。