「平土野商店街活性化」研究発表会

高校生の視点で提案した樟南二高商業科3年生らの「平土野商店街活性化」研究発表=20日、同校(天城町)で

天城町・樟南二高商業科3年生 高校生視点で提言

【徳之島】天城町にある樟南第二高校(牧園弘光校長)の商業科3年1、2組(特進クラス)の生徒46人が取り組んだ課題研究「平土野商店街活性化」の発表会が20日、町長に町幹部らを招き同校であった。高校生視点での同商店街聞き取り調査などフィールドワークや分析、試行・試作など活性化策を提言した。

フィールドワークや分析

高校生の若い発想力と行動力を生かして双方が協働、活力ある地域の創出―などを目指し昨年4月、地元天城町と樟南二高間で締結した包括的連携協定に基づく活動の一環。2年目は、商圏拡散などによる空洞化で活気が失われて久しい町中心部「平土野商店街」の活性化策を課題にした。柔軟な若い視点からのアイデアや意見の提案を町側が依頼していた。

発表会の聴講者(兼審査員)には森田弘光町長や教育長・各課長など幹部職員、平土野地区商店主など関係者約15人が参加。生徒たちは企画・雑貨・広告・環境・教育・飲食・スポーツ・建築・行政―各分野の計13班に分かれて約5分間ずつ発表。

提案事業の概要、強みやアピール、若者視点での商店街マップの作成やSNSを積極活用した販売戦略、島の特産品を活用した飲食メニュー例。商業科らしく根拠となる収益予想や損益計算例なども真剣に例示・提案した。

ちなみに「建築班」は①建物のリフォーム②道の整備(でこぼこの改善、街灯の増設)③川や海の美化④SDGsを考えた行動で「まず外見を変えて、悲しい雰囲気をなくす」。その上で眼前の平土野海岸を生かした大胆な「海上アスレチック」計画による集客構想も提案した。

「行政班」は、平土野衰退の大きな要因に「南西糖業工場の移転(統合)」を指摘。全国のサテライトオフィス誘致の成功例も示しながら「ヨソモノを積極的に受け入れようとする姿勢の大切さ」なども強調。高校生離れしたプレゼンテーション能力の高さも際立った。

森田町長は講評の中で「みんなで考えて私たち一人ひとりの実行が大事。島の課題が何なのか探究する心を持ち続けて欲しい」などと称賛。

「行政班」の稲村琳仁(りんと)さん(17)は「一度は東京に出て(大学商学部進学決定)、社会でもいろいろ訓練をして自分自身を高め、いずれは島に帰って地域活性化に貢献できる人間になりたい」ときっぱり。

商業科主任の山本祥平教諭(39)は生徒たちの頑張りに「高校生の目線で柔軟に対応し、これだけ形にできたことはすごい。『島だから出来ない』ではなく、今度は社会に出て〝形〟を作ってほしい」と目を細めていた。