エッセイ集『南の風に誘われて』出版

エッセイ集を出版した清水恵子さん=3日、知名町=

日常を文章に 知名町の清水恵子さん

【沖永良部】知名町芦清良在住の清水恵子さん(65)がこのほど、エッセイ集『南の風に誘われて~清水恵子の音楽と文章修業の旅へ~』(なんせい文庫)を出版した。新聞に投稿したエッセイのほか、制作した絵本や短歌などもまとめている。

清水さんは兵庫県出身の沖永良部2世で、島に嫁いで41年になる。1992年に初のエッセイ『ハイヒールは、永良部百合の香りに誘われて』が第8回お茶の間エッセイコンテストで入賞したのをきっかけに新聞や雑誌などに投稿するようになった。

現在も、2016年に資格を取得した歌唱療法士、音楽療法士として島内外で活躍しながら、日常の生活で感動したことや気づいたことを文章にしている。

今回のエッセイ集では、旅客機「YS11型機」に乗って初めて沖永良部島を訪れた時の話や島での結婚式、与論島で歌った「十九の春」、認知症の母を喜ばせたいとの思いで習い始めた音楽療法のことなど、清水さんの正直な気持ちが綴られている。これまでに出会った人たちや孫からのメッセージも掲載した。A5判、307ページ。1冊1800円(税抜き)。

今月3日には知名町フローラル館で出版祝賀会を開催。友人や知人ら130人ほどが集まり、本の完成を祝った。会では、沖永良部島への感謝の気持ちを込めて清水さんが作詞した曲「ここは沖永良部島」を、全国音楽療法協会会長で作曲を担当した増田光音さんと2人で歌い上げた。

清水さんは「多くの人に背中を押してもらい、本を出版することができた。今年亡くなった母も喜んでいると思う。これからも書き続けていきたい」と話した。