「あまぎ自然と伝統文化体験館」 天城町、実質着工

2025年度完成へ実質着工した天城町「あまぎ自然と伝統文化体験館」完成予想図(円内は地鎮の儀で森田弘光町長)=24日、同町浅間

「あまぎ自然と伝統文化体験館」(縮小模型・内部の様子)

闘牛主体に〝稼げる複合施設〟に

 【徳之島】全天候型ドーム闘牛場を主体とした天城町「あまぎ自然と伝統文化体験館」建設工事の安全祈願祭が24日、同町浅間の現地であった。新年早々に始まる基礎杭(くい)工事(発注済み)で実質着工。島唄や踊りなど伝統文化、特産品の発信、スポーツ芸術イベントなども含め、天候に左右されない「稼げる」複合施設として2025年度内の完成を目指す。

 建設地は、同町総合運動公園陸上競技場の東側隣接の町有地(浅間戸ノ木)。町当局は、19(令和元)年度に全天候型多目的施設基本計画策定委員会を設置して基本計画を策定。20年度に国の奄美群島成長戦略推進交付金事業の採択を受け、基本および実施設計。防火水槽や流末水路設置、造成工事を経て今年10月、基礎杭工事(契約額1億5510万円)を発注した。

 施設概要は「全天候型闘牛場としての機能を持ち、自然伝統文化体験コーナーや農産物直売所コーナーも設けた複合型施設」。規模は▽鉄筋コンクリート2階建て・延べ床面積2490・26平方㍍。内訳は▽闘牛場が収容人員約3千人、闘牛リング直径20㍍、正面ステージ設置▽自然伝統文化体験コーナーは87・2平方㍍▽農産物直売コーナーは161・7平方㍍をそれぞれ確保。

 全体事業費(見込み)は約10億9545万円。内訳は、同体験館10億5145万円(測量・工事監理・用地取得含む)、外構工事(駐車場・闘牛待機小屋整備)。23年度にかけて基礎工事と躯体(本体)工事、24年度は鉄骨・屋根ふき(上屋)工事。25年度の仕上げ・外構工事で同年度内完成を目指す計画だ。

 建設工事安全祈願祭(地鎮祭)には、町当局や町議会代表、受注業者など関係者約30人が参加した。森田弘光町長はあいさつで「闘牛大会などはもちろん、コンサート会場など若い人たちのイベント開催にも利用できる『稼げる施設』を目指したい」。海洋センターや総合運動公園、山猪工房(やまししこうぼう=イノシシ精肉直売)、水産業振興拠点施設とも連携した「地場産物を中心としたマルシェの定期開催。農業者と消費者の交流の場を広げ、人と人をつなぐ機能、異なる価値観が出会う場所に」とアピールした。