リュウキュウアユ検討会

リュウキュウアユの産卵親魚と稚魚遡上個体数の報告会があった検討会

個体数引続き回復傾向
冬の気温が遡上数に影響

 絶滅危惧種で奄美大島だけに天然の個体が生息するリュウキュウアユの数値検討会が24日、奄美市住用総合支所であった。奄美リュウキュウアユ保全研究会(会長・四宮明彦元鹿児島大学教授)が、2022年のリュウキュウアユ生息確認数を報告。今秋の個体数は2万3271匹(前年2万6528匹)で「昨年に続き回復傾向にある」とし、要因として「冬期の低気温による遡上=そじょう=数の増加」を挙げた。

 鹿児島大学や琉球大学などで構成する同保全研究会は、稚魚が遡上する毎年春(昨年調査無し)と繁殖期を迎える秋に合同で調査を行っている

 今春の調査は新型コロナウイルスの影響で7月16~18日、秋の調査は11月11~13日に、主要4河川を含む11~12河川で実施した。

 主要な4河川の(11月)産卵親魚数は、▽役勝川=1万8900匹(前年2万2057匹)▽住用川=1101匹(同893匹)▽川内川=1437匹(同901匹)▽河内川2973匹(同2330匹)。11河川全体では前年より3257匹少ないながら高水準を保った。

 稚魚遡上個体数は、▽役勝川=1万9942匹▽住用川=3008匹▽川内川=783匹▽河内川=1180匹―だった。同研究会は、「前季の冬(12月~3月)の海水温が低かったため稚魚の遡上個体数が増加。それが産卵親魚の増加につながった」とした。

 またアユの消化管内要物(エサの付着藻類の残物)が全く出てこなかったことを指摘。「川による違いか時期による違いか、継続的な調査が必要」と話し、リュウキュウアユの食性解明への意向を示した。