奄美大島第8波襲来

新型コロナの第8波襲来に警戒を呼び掛ける安田市長

新型コロナ 年末年始の感染対策徹底呼び掛け
名瀬保健所管内 入院患者が確保病床上回る

 奄美大島の5市町村長で組織する奄美大島新型コロナ対策本部長を務める安田壮平奄美市長は27日、同市役所で記者会見を開き、島内で新型コロナウイルスの新規感染者の増加が続いていることなどから「第8波が奄美大島にも確実にやってきている。島の暮らしと医療を守るため、年末年始も感染対策を徹底してほしい」と呼び掛けた。一方、同島独自の警戒レベルの引き上げについては「今は考えていない」とし、レベル「3」を維持する考えを示した。

 会見には、名瀬保健所の相星壮吾所長らも同席。同保健所に届け出があった65歳以上の高齢者や妊婦、基礎疾患を有する人などの感染者数や、管内(奄美大島・喜界島)の入院者数と宿泊療養者数の速報値などを基に、「高齢者や重症化リスクの高い基礎疾患のある人の感染が増え、発熱外来の受診も増えている」などと指摘した。

 同保健所によると、26日現在の管内(奄美大島・喜界島)の入院者数は46人(速報値)となっており、新型コロナ対応の確保病床数(36床)を既に上回っている。相星所長は「すぐに入院に支障が出る状況ではないが、今後、さらに感染者が急激に拡大すると、医療機関の負担が大きくなり、医療提供体制がひっ迫する懸念もある」などと話した。

 また、管内の複数の高齢者施設で、複数人の感染も発生しており、複数の死亡例も報告されているという。相星所長は「若い世代に感染が広がることで、高齢者や基礎疾患などのリスクを抱える人が命の危険にさらされる状況が懸念される。大切な島の先輩たちを守るためにも地域住民の一人ひとりが、かからない、うつさない行動を徹底してほしい」などと呼び掛けた。

 年末年始は、会食の機会が増えることから、安田市長は「会食などに参加した人は、数日間体調管理に気を付け、高齢者などと接する時は、マスク着用などの感染対策を行ってほしい」などとしている。

 また、警戒レベルについては「感染対策と日常生活の維持、継続の両立を図り、レベルを引き上げないための努力をしたい」とし、レベル引き上げの目安については、「感染状況と医療提供体制を見ながら判断したい」とした。