「カワアイサ」徳之島初記録

徳之島初記録の「カワアイサ」(メス、写真上)と、迷鳥「ツクシガモ」=26日午前、徳之島町諸田池(指宿さん撮影)

迷鳥「ツクシガモ」の姿も
徳之島町「諸田池」で指宿さん

【徳之島】渡り鳥たちの楽園、観察ポイントともなっている徳之島町の「諸田(しょだ)池」=同町諸田=では28日までに、同じカモ科で、奄美群島には極めて珍しい「カワアイサ」と絶滅危惧種「ツクシガモ」両種の迷鳥2羽の飛来も確認。カワアイサは徳之島では初の確認・画像記録となった。

飛来を確認・記録したのは同町亀津の自然写真愛好家、指宿安夫さん(75)。10月下旬には種々の水鳥でにぎわう諸田池で「コハクチョウ」も確認。高倍率レンズ装着のカメラを抱えてほぼ毎日、島内の野鳥観察ポイントで探鳥。珍鳥など同島の自然に関する話題の発信をライフワークとしている。

カワアイサは、全長が平均60㌢程度。繁殖地はユーラシア大陸中北部や北アメリカ北部で、日本には冬鳥として九州以北に渡来するとされる。奄美大島ではまれに確認されるが、徳之島では記録がなかった。新たなサプライズに、指宿さんは「生まれて初めて観察。図鑑やネットでしか見たことが無かったのでとても感動しました」。

一方、「ツクシガモ」は全長58㌢~67㌢、翼開長110㌢~133㌢とマガモよりも大型種。ヨーロッパ北部の沿岸とアジア中央部などで繁殖、日本には少数が冬鳥として渡来するとも。環境省レッドデータ・絶滅危惧Ⅱ類(VU)。

「徳之島では下久志海岸(徳之島町)で観察以来8年ぶり。こちらも滅多に見ることができない迷鳥です」と強調する。

今季は渡り鳥たちの種類・数ともに増加傾向にある。カモの仲間などの探鳥、識別するにはフィールドスコープなど望遠鏡が必要。