さよなら2022

来年は「卯年」。アマミノクロウサギにとっても飛躍の年になるだろうか(奄美市の山中で、西康範さん撮影)

大高甲子園出場に沸く
来年は「卯年」 さらに奄美クローズアップ期待

 今年も新型コロナウイルスが猛威を振るう1年となった。奄美でも年明け早々から多くの感染者が確認された。一方で、以前のような厳しい行動制限はなく、暮らしには一定の潤いが戻った。

 そんな奄美の人たちに朗報が飛び込んできたのが1月。県立大島高校野球部の甲子園(センバツ大会)出場だった。3月23日に行われた一回戦、勝利することはできなかったが、アルプススタンドを緑に染めた大応援団の後押しを受け、白球を追う選手たちの姿は、奄美の人たちを元気づけた。同校は夏の県大会でも離島勢初の準優勝を果たした。鹿児島実業高校との決勝戦は、大勢の観客が詰めかける歴史的一戦となった。

 昨年の世界自然遺産登録から1周年を迎えた7月26日には、奄美市住用町に世界自然遺産センターがオープン、環境保全などの情報発信拠点としての役割が期待されている。

 来年は「卯年」。奄美大島と徳之島に生息する国の特別天然記念物・アマミノクロウサギの生息数が大きく増加していることが今月、環境省の調べで明らかになっている。

 同省によると、2021年時点の推定生息数が約1万1500匹~3万9100匹に上るという。03年当時に比べ5~7倍に増えており、マングース駆除やノネコの捕獲といった保護に取り組んだ成果とみられる。クロウサギなど希少な野生生物を観察するツアーなども好調で、来年はさらに奄美がクローズアップされることになるかもしれない。

 一方で、ロードキルなどの課題も指摘されている。クロウサギをはじめとした野生生物の保護に取り組みながら、「卯(ウ)ィズコロナ」の1年にしたい。