初売りで福袋を買い求める人たち
奄美市名瀬の中心商店街で2日、新春恒例の「初売り」が始まった。風物詩の福袋や格安商品を取りそろえ、半数超の店舗で商いを開始。目当ての商品を求めて活気づく買い物客の姿に、新型コロナウイルス前のにぎわいが戻ることを期待した。
名瀬中央通りアーケード商店街のスポーツ用品店「三洋スポーツ」(泉松雄代表)では、2万5千円相当の商品を詰め合わせた1万1千円の福袋16個を用意し販売。午前8時のオープン前には人が列をなし、開店と同時に押し寄せた。
担当者らは「2~3年前と比べても人通りは少なくなってきている。コロナ禍が続きでインターネットで買い物を済ませる人も増えてきているのでは」と長引く状況を憂慮。「(初売りを機に)以前の活気が少しでも戻ってくれれば」と願った。
一方、末広本通りにある子ども向け福袋が好評な文具店「東京堂」(泉力社長)では、今年も整理券を配布し午前9時に開店した。文具の詰め合わせや釣りゲーム式など、多彩な福袋を用意。帰宅を待ちきれない子どもたちが袋をのぞき見しつつ、喜びの声を上げていた。
各店舗では福袋のほか、先着限定人数の目玉商品やセール品などを並べて出迎えた。通りでは往来する若者や親子も目立ち、両手いっぱいに福袋を抱えて歩く人の姿も見られた。同市名瀬在住の24歳女性は友人と4人で訪れ、「にぎやかな雰囲気で見ているだけでも楽しい。いい商品があれば買いたい」と練り歩いていた。
同商店街振興組合の里彰浩理事長(53歳、のせ文具)は昨年を振り返り「ようやく夏祭りや秋祭り、歳末大売り出しなどイベントができるまでに戻って来た。(回復の)兆しもある」と強調。「コロナが収束せず難しい部分はあるが、メンバーが力を合わせて頑張りながら、少しずつでも集客できる商店街を取り戻していきたい」と話した。