威勢よく今年の初セリ

新鮮な魚介類が並んだ名瀬漁協の初セリ

新鮮な地場産野菜が並んだ名瀬中央青果の初セリ

水揚げ例年上回る、野菜、果実は高値取引
名瀬漁協・名瀬中央青果

 奄美市の名瀬漁業協同組合(満林春男組合長)と名瀬中央青果㈱(森山直樹社長)で5日朝、初セリが行われた。両市場の開始式には同市の安田壮平市長も出席、「物価高や燃油価格の高騰など厳しい経済状況が続いているが、行政として各種政策を通して生産者を積極的に支援していきたい」などとあいさつ。鐘の音とともにセリが始まると、荷さばき所には威勢のいい掛け声が響き、新年最初の取引が開始された。

 同市名瀬港町の名瀬漁協では、午前6時半から開始式が行われ、乾杯で今年一年の豊漁と操業中の無事故を祈願した。安田市長は「昨年は台風による被害が続いたが、今年は自然災害の少ない年であるよう心より願っています」などとあいさつ。満林組合長は「新型コロナ感染拡大による魚価低迷や燃油高騰による経営環境の悪化など大変厳しい状況にあるが、12月ごろから魚価も高値で推移するなど明るい兆しが見えてきた。漁協としても魚価の安定、生産者の収入向上に努めたい」などと話していた。

 荷さばき所にはイセエビやキハダマグロ(シビ)、チビキ、夜光貝、エラブチ(ブダイ)など奄美近海産の魚介類が並び、仲買人は目当ての水産物を次々とセリ落としていった。

 この日の水揚げ量は約1405㌔と昨年(約1000㌔)の水揚げを上回った。満林組合長は「年末以降、天候も安定し、予想以上の水揚げがありホッとした。漁に出た組合員に感謝したい」と話した。

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 名瀬中央青果は同市名瀬長浜町の市場で午前8時半からセリはじめ式を行った。三本締めで今年1年の豊作と食の安心安全などを祈願。安田市長が鐘を鳴らしたのを合図に初セリが始まった。市場には奄美大島や喜界島、徳之島、沖永良部島の農家が出荷したキャベツやダイコン、ニンニク葉、ブロッコリー、シイタケ、キュウリ、トマトといった野菜のほか、ポンカンや津之輝、メロン、スプレーギクなどの花き類が並び、威勢のいい掛け声とともに次々とセリ落とされた。

 森山社長は「昨年は台風の影響で本土からの入荷に影響が出ることが多かった。天候の影響を避けるためにも、できるだけ地場産野菜の取引を多くできるよう、生産者と協力して取り組んでいきたい」などと話した。

 この日の入荷量は野菜3864・5㌔(うち地場産は1652・5㌔)、果実1410・6㌔(同1380・6㌔)、花き607㌔(すべて地場産)。

 野菜は、天候不順により昨年末の入荷が少なかった一方、果実は昨年少なかった津之輝の入荷が多く、単価も高値だった。花きは昨年より入荷が多かったこともあり安値となった。全体的に野菜は昨年より高値で推移、果実は入荷が増え単価も高値傾向となった。