宇検村・世界自然遺産博士講座

奄美の歴史・文化・民俗学を専門とする町健次郎さんが、宇検村の「正月」をテーマに講演した(7日、元気の出る館)

ケンムンは1月に現れる!?
町さん「昔のじかん・今のじかん」講演

2022年度「宇検村やけうちっ子環境学習世界自然遺産博士講座」(村教育委員会主催)が7日、村生涯学習センター・元気の出る館であった。第7回「昔のじかん・今のじかん~正月~」と題し、瀬戸内町立図書館・郷土館学芸員、町健次郎さん(52)が講演。村内から児童ら約20人が参加。新暦と旧暦、同村の食文化など、奄美群島・同村に伝わる妖怪「ケンムン」の言い伝えとともに学んだ。

同講座は、奄美大島の自然や文化を学び、持続可能な社会のつくり手を育成することを目的とした環境プログラム。昨年度に引き続き開講され、今年度の講座は全8回。

講演で町さんは、「正月」をテーマに、「大人になっても覚えていて欲しいこと」として、新暦(太陽暦)と旧暦(太陽太陰暦)の違いを説明。現在も奄美に残る旧暦上の行事、事例として▽旧暦3月3日、潮が引くため潮干狩りに行く▽同7月7日に七夕の竿を立て飾る▽同1、15日は大潮―など紹介した。

また、宇検村の豚料理「豚折」(ウヮーオリ)を伝え、南部大島が誇る食文化と解説。ほかにも、旧暦1月16日(新暦では今年の2月6日)は、「宇検村の全ての集落でケンムンが出現する、山に入ってはいけない日」として、建設会社は休みにしているなど、新暦と旧暦を巡る同村の文化・慣習を、児童たちにわかりやすく伝えた。

講演を締めるにあたり町さんは「今日の話は、集落を回って聞いたもの。みなさんが住む集落の年配の方からも聞けるので、ぜひ、会話を通して、ひと昔前の別世界の話を楽しんでもらえれば」と児童たちに呼び掛けた。

同講座は最終回の2月17日、講座参加者による発表会が予定されている。