「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」に選定

選定証授与を喜ぶ「一般社団法人Emore秋名」メンバー。中央が村上裕希代表理事

龍郷町 Emore秋名、群島内で初
村上代表「人の呼び込み、重要と実感」

 「奄美群島内で初の快挙」―。農林水産省と内閣官房は昨年11月7日付で「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」第9回選定の結果を公表した。同日に総理大臣官邸で開催された「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」有識者懇談会(林良博座長)において、全国の地域活性化や所得向上の優良事例37地区を決定し、この中で、龍郷町の一般社団法人Emore秋名(イモーレ秋名、村上裕希代表理事、正会員13人)が「コミュニティ・地産地消部門」で選定された。農水省ホームページによると、奄美群島内の団体が選定されたのは初めて。昨年12月19日に総理大臣官邸で交流会及び選定証授与式があり、岸田文雄内閣総理大臣が出席し、この席に村上代表理事らも出席した。

 選定証には「貴団体は『強い農林水産業』や『美しく活力ある農山漁村』の実現のため、農山漁村の有するポテンシャルを引き出すことにより、地域の活性化や所得向上に取り組み、他の地域の模範となるものであることから選定された」などと記されている。

 選定に係る講評資料によると、取り組み概要について①過疎が進む地域で、宿泊事業に取り組むとともに、学生インターン(学生が興味ある企業等で実際に働いたり、訪問したりする職業体験)を住み込みで受け入れて関係人口を創出②地域語り部による集落歩き体験、島の家庭料理を提供する「あらば食堂」の経営等により、文化を次世代に継承―との内容が記されている。

 また、成果に関しては①地域の主婦が旬の地場産食材で島料理を提供し、若手主婦が調理を補助することで食と暮らしぶりを伝承②食堂利用者は年間5千人を超え、清掃も含め12人の雇用を創出―などと記されている。

 村上代表理事は受賞について「地域住民の応援があってこその受賞。地域住民、町民が喜んでくれることが一番うれしい。島外から人を呼び込むことが改めて重要だと感じた」などと話した。

 「Emore秋名」の活動を継続支援してきた龍郷町の竹田泰典町長は「地域一体となって取り組んできたことが〝芽〟を出し、それを国に認めてもらいうれしく思う。荒波地域の活性化につながっていくものと期待している」と述べた。

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 「Emore秋名」は、2018年11月に秋名・幾里集落の活性化を目的として有志で設立。村上代表理事によると、現在、賛助会員も20人いる。