奄美海保年頭訓練

市民らが見守る中、救助訓練を行う潜水士や乗組員ら

溺者救助やロープ登はん技術披露
巡視船「あまぎ」潜水士ら

 奄美海上保安部の年頭訓練が9日、奄美市名瀬の名瀬港観光船バースであり、所属する巡視船「あまぎ」と「かいもん」の潜水士や乗組員ら44人が参加、溺れた人の救助訓練や船首からの飛び込み、ロープ登はんなど、日頃の救助活動で実施している高い技術を披露した。

 訓練会場となった同バースには、安田壮平市長のほか、約100人の市民らが詰めかけ、訓練を見守った。巡視船「あまぎ」の久木野満幸船長の号令とともに乗組員らはてきぱきとした動作で訓練を開始。岸壁から転落した釣り客が溺れているとの想定で行われた救助訓練では、「118番通報」を受けた巡視船「かいもん」が現場に急行。潜水士2人が海に飛び込み、ゴムボートに引き上げた後、さらに岸壁で待つ海保署員がボートから救助者を引き上げた。

 船首からの飛び込みとロープ登はん訓練では、巡視船「あまぎ」所属の潜水士2人が、船首部分から果敢に水面に飛び込み、ロープを伝って船首甲板に戻る技術を披露。観客から大きな拍手と歓声が上がった。

 訓練を終え、久木野船長は「多くの市民を前に日頃の訓練の成果を見せることができた。今後も、海難事故などにしっかり対応できるよう備えていきたい」と話した。昨年に続き、救助技術を披露した奄美市出身の潜水士、榮慶志郎さん(25)は「昨年以上にたくさんの観客がいて緊張したが、無事にできてよかった。潜水士として安全管理が一番大事なので、そこを意識して訓練している。地元で仕事ができ、やりがいも感じている。今後も奄美の海の安全確保に努めていきたい」と話した。