10日に告示された宇検村長選。無投票で再選を決めた元山公知=あきら=氏に11日、1期目の振り返りと、2期目となる任期4年間をどのように取り組んでいくのか、意気込みを聞いた。
―再選から一夜明けての感想は。
ほっとしている。14集落を回って訴えてきたことが浸透してきたことと、1期目の評価をいただいていると感じる。村民の期待も大きく、身が引き締まる思い。
―無投票になった要因は。また政策を訴える時間は十分だったか。
「和を以って貴しとなす」という言葉を心に、話し合いを大切にしてきたことが一番の要因。一日で訴えきれなかった部分は、議会や集落座談会で訴えていく。
―前回の厳しい選挙戦でのしこりは解消できたか。
しこりの解消ということよりも、朝山毅前奄美市長の「勝った者にしか和を作れない」という言葉の通り、村民との対話を心掛けることで、和を大切にしてきた、前回の選挙戦のように村民を二分=にぶん=することがなくて良かった。村民の表情も選挙がなく、穏やかに感じる。
―1期4年間を振り返っての達成度は。点数にすると。
グリーンスローモビリティな公共交通事業などはしっかりと行えたものの、郷友会など村出身の学生などとの交流を図りたかったが、行えなかった。点数は任せたい。
―公約の一番に掲げた、産業振興についての考えは。
農産物も水産物もあるので、ネーミングやパッケージの工夫など特産品のブランド化と販路拡大など、村外からの収入を増やす方法を分析することが必要。1期目で約300万円から約1600万円まで増額した、ふるさと納税を活用していく。2期目の目標は5000万円。
―観光振興はどのような方法で考えているか。
しっかりしたガイドを中心に、宇検村を感じるような、豊年祭などの伝統行事の体験型観光により、リピート客を増やす、息の長い観光を目指す。PRは村独自の物産展や郷友会を利用していく。
―人口減少問題、移住・定住対策は。
Iターン者の誘致はもちろんだが、先祖の土地や家がある、Uターン者や2世、3世に重点をおく。村で頑張りたい人には全ての情報提供や助成を行っていく。
また、家不足の解消は、定住促進住宅を計画的に建てていく。
―公約を達成するためには。
2023年度から実施予定の村の方向性を示す、第6次宇検村総合振興計画を柱とした考え方で進め、実効性を高めていく。
―2期目に向けての意気込みは。
村長として政策で村民を笑顔にしたい。宇検村に来た人が、村民の笑顔などで村の良さを感じられるようにしたい。
(聞き手・本間芳一)
メモ
(もとやま・あきら)1989年県立大島高校卒。東京での会社員、沖縄での飲食店経営などを経て2003年帰郷。翌04年に村議初当選、19年に村長初当選。
「人の観察力にたけ、モノマネが得意だが、家族からは『外ではモノマネ禁止令』が出ている」と笑顔を見せる。選挙のために1月2日から禁酒、再選が決まった10日に解禁したという。妻二三代さん(52)と田検集落で2人暮らし。52歳。