ゼロカーボンへ マングローブ植樹

校区内の小名瀬集落で、マングローブ植樹を行う油井小学校の児童たち

瀬戸内町、小名瀬集落で

 瀬戸内町や瀬戸内漁協などは13日、ゼロカーボンシティを目指しマングローブ植樹を同町小名瀬集落の干潟で行った。同漁協組合員や養殖業者、油井小学校の児童生徒など20人以上が参加。マングローブの一種であるメヒルギの苗を植樹した。

 同町は、2050年までに二酸化炭素実質排出ゼロを目指すため、21年7月に「瀬戸内町ゼロカーボンシティ宣言」をした。宣言の趣旨の一つである、ブルーカーボン造成の取り組みとして、ホンダワラの藻場再生とCO2の吸収率が高いマングローブの植樹を推進している。

 昨年7月にメヒルギの種植え約330鉢を実施。半年間で約20㌢成長し、葉をつけた約200本の苗を縦横1㍍間隔で植えた。14日には、更に西側の干潟に約100本を植樹予定。2日間で合計約300本を植樹する。

 植樹場所については、昨年10月から?鹿児島県環境技術協会の環境アセスメント調査を実施。同12月に県から許可が下りたため今回の植樹を実施した。

 同町水産観光課水産振興係の禧久幸太係長は「ブルーカーボン造成の取り組みは、CO2を吸収する効果だけでなく、水産資源の保全にもつながる」とし、「今後も植樹できる場所を厳選しながら続けていきたい」と話した。

 植樹に参加した、同集落の田中環=たまき=区長(69)は「マングローブも自然に増えることが理想だが、人が少し手を加えることで自然が守られるなら良いこと」と話し、「こういった活動を通して、集落に目を向けてもらい、活性化につながればうれしい」と語った。

 油井小1年の田畑愛絆=あいな=さんは「初めてで難しかったけど楽しかった。どんどん成長して山くらいに大きくなってほしい」と笑顔を見せた。