東京からU・Iターン飲食店起業へ試験出店も

東京からU・Iターン移住、天城町で飲食店起業を目指す寿友紀・志保さん夫妻=14日、同町平土野

 

 

寿さん夫妻 天城町商工会「わっきゃが市場」

 

 

 【徳之島】天城町商工会青年部(永岡寛治部長)の今年度第2回「わっきゃが市場」が14日午後、同町平土野の「わっきゃが広場」であった。ウィズコロナで「お祭り気分を」と出店や屋台が出店。東京からU・Iターン、町内で飲食業の起業を目指すカップルの試験販売ブースも大好評。ミニ四駆大会や音楽ライブ、ミニ花火大会でも楽しませた。

 「わっきゃが(私たちの)市場」は同青年部たちが、商圏分散で空洞化が進んだ平土野商店街への誘客促進・再活性化を願い2011年7月に開始。コロナ禍の中断で水も差されたが、昨年8月「わっきゃが市場イン・ザ・ナイト」と銘打ちお祭りムードにシフトして再開。今年度第2回の14日は午後1時から各種屋台やフリーマーケットなどを開いた。

 「初めまして、東京から移住してきました。天城町で『おいしいランチが食べられるお店』の出店を計画中!」―。プロフィールも明確に掲げて手作り料理を試験販売。若い家族連れを中心に関心を集めたU・Iターンカップルは、同町岡前出身の寿友紀さん(39)と京都出身の志保さん(32)夫妻。

 友紀さんは都内でTOYOTAや高島屋カタログなどはじめ大手のコマーシャル・フォトを手掛けてきたフリーカメラマン。妻・志保さん(女子栄養大学保健栄養学部卒)は、大手外食企業で商品開発、レストラン「キハチ青山本店」・カフェ勤務経験も。

 岡前で1人暮らしの友紀さんの母が病弱となったことから、一念発起してふるさとへの移住を決意。今月4日に2人で引っ越してきたばかりだった。

 自作の写真入りPOPメニューでワンコイン(500円)をうたった『旨辛チキン丼』と『焼肉キンパ』。来場者たちの関心を集めて客が途絶えず完売。「シンプルな簡易容器の中にも、洗練されたような深い味わいがあっておいしかった」(60代女性)など反応も。

 志保さんは「沖縄旅行を機に、暖かい所に住みたいとの気持ちを抱いていた。過度に観光地化されずに島本来の姿が残り、島の方たちも自然体で楽しんでいる」。開業に向けては「定食の小鉢一つにしても、全てが満足のできる味自慢の店を目指したい」。2人は「まずはお友達が欲しい。そして物件も知りたい」。実直そうな笑顔を輝かせた。

 志保さんはインスタグラム「shiho95」、ユーチューブは「SHIHOのお料理チャンネル」でも発信中。
 
 会場ではミニ四駆大会もちびっ子ら家族連れに大人気。地元のシンガーソングライター禎一馬さんらのライブ演奏で盛り上げた後、ミニ花火大会のサプライズも。青年部の永岡部長(40)は「天城町や平土野の街を少しでも明るく元気にしたい。青年部で工夫して今後も頑張っていきます」と話した。