高校生3人、都市部で職業体験

「㈱Schoo」で職業体験する龍郷町在住の高校2年生3人ら(提供写真)

「将来の進路に生かしたい」
龍郷町初事業企画

 龍郷町は、初めてとなる「高校生都市部インターン事業」を企画し、応募した町内の高校生3人(男子2人、女子1人、大島高校2年生)が昨年12月26~28日の3日間の日程で東京都の2企業と国土交通省を訪問、職業体験した。

 同事業の要領によると、趣旨は「高等教育機関等がない奄美大島において、多くの高校生が卒業後に島外に就職、進学している。過疎地域における職種の少なさなどから自己の職業適性や将来設計について考える機会が限られているため、都市部における職業体験(短期インターン)を行い、主体的な職業選択や高い職業意識の育成を図る」としている。募集対象は奄美大島内の高校に在籍し、町内に住所を有する1~2年生6人。町が1人当たり経費の5割(上限5万円)を補助。

 町によると、同事業に大司陸斗さん、山田優楽さん、藤井瑠璃さんが参加、町企画観光課職員が引率した。

 12月26日は、奄美大島5市町村と遠隔教育システムを活用した地方創生推進の包括的パートナーシップ協定を締結している「㈱Schoo」(森健志郎代表取締役社長、東京都渋谷区)を訪問、職業体験した。

 27日は、年齢や専門領域を問わず、グループ間の交流や領域を横断する価値創造活動を支援しているという「SHIBUYA QWS」(渋谷キューズ、東京都渋谷区)、奄美群島振興開発特別措置法を所管している「国土交通省」を訪問、職業体験した。

 町によると、職業体験を終えて参加した高校生に感想を聞いた。山田さんは「Schooでは、社員の皆さんが楽しそうに働いていて、思っていたより東京で働くのは楽しそうだと思った。森社長が言っていた『過去から学び未来を考え、これからのニーズを分析する』などの言葉をしっかり心に刻んでいこうと思った。QWSでは、いろいろな会社や大学生が集まって同じ場所で仕事をするメリットを知ることができた。『世の中には面白い事業があるんだな』と思った」と記し、大司さんは「今回の見学で印象に残ったのは、奄美大島以外の職場でのワークスタイルや雰囲気を知ったこと。この経験を生かし、将来の進路や職場選択に生かしたい」と記した。藤井さんは「どの訪問先でも共通して言われたことは『将来の夢を見つけるために焦るのではなく、関心があることを追求することで自分のやりたいことが見つかる』との指摘でした」と記している。